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初SuicaがApple Watchで使うたびに「ふぇぇ」ってなる

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Apple WatchNike+ (Series 4) を使い始めて1週間が過ぎた。
Suicaの利便性にビビっている。

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Suica

今までSuicaを使ったことが無かった。電車に乗るのは月に1回程度で、しかも回数券を分割して販売している自販機が駅前にある。そのため今までSuicaを作る気がしなかった。

電子マネーという観点から見ても、旨味は少なかった。俺はついこの間までApple Payが非対応のiPhone6sを使っていたので、Suicaに限らず電子マネーを使いたいのならカードを作るしかない。それならクレカで特に不満は無かったというわけである。

そんな俺がApple Watchをうっかり買ってSuicaを導入したのだから、その衝撃は凄まじい。なにせ磁気式の自動改札は1970年代の技術である。

Suitetsu-kaizuka-kaisatsuki-20061224.jpg
By Linearcity - 自ら撮影, CC 表示-継承 3.0, Link

そこから一気にスマートウォッチなのだから、約50年分のワープ進化。とんでもないものを手に入れてしまった感が半端ない。

なのでApple Watchに興味があり、Suicaなどの乗車カードを持っておらず、Apple Pay非対応のiPhoneを使っている人はApple Watchをさっさと買ったほうが良い。

その他

どのように使っているかなどを書いておく。

フェイス

フェイスはコンプリケーションをたくさん表示させたいので『Infograph』を使っている。

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『BatteryPhone』iPhoneApple Watchのバッテリーを表示するアプリ。

BatteryPhone

BatteryPhone

  • Keietsu Yasuhara
  • ユーティリティ
  • 無料

離れたところから充電状況を確認できて便利。ただ、自動更新間隔が30分固定なのが残念。それどころか明らかに30分以上更新されていないこともある。それでも手動更新は可能なので、わざわざiPhoneのところまで行かなくていいのは楽である。

右下に世界時計の東京があるのは、俺が海外へ行くからではない。アナログ時計だと、時間の把握が難しかったからである。アナログ時計は今まで使っていたので、Apple Watchでもアナログ表示で十分だと思っていた。だが慣れもあるのだろうが、これが意外に分からない。数字が無いからだろうか。しかもApple Watchの場合、じっと見ていると画面が消えてしまう。

なのでバカバカしいとは思いながらも、時計をデジタル表示させることにした。小さいが特に問題ない。そして逆に針を消したい。針無しの方がどう考えても便利だ。

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針が邪魔

ここまで書いたところで、俺が使うべきは『Infograph Modular』な気がしてきた。

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さっそく今日から試す。

いいと思ったアプリ

この1週間で使って便利だなと思ったアプリを紹介する。

Suica

Suica

上に書いたとおり。


BatteryPhone

BatteryPhone

  • Keietsu Yasuhara
  • ユーティリティ
  • 無料

同上。


AutoSleep Watchを使って睡眠を自動で追跡します

AutoSleep Watchを使って睡眠を自動で追跡します

  • Tantsissa
  • ヘルスケア/フィットネス
  • ¥360
夜間に目が覚めた時や、日中の昼寝もちゃんと自動で検出しているのが偉い。加えて、睡眠ログ系のアプリはいくつか使ってきたが、記録された睡眠時間の調整を直接時間を入力する以外に「後から感度を調節することで時間を調整」というのは初めて見た。


JINS MEME OFFICE

JINS MEME OFFICE

  • JINS Inc.
  • 仕事効率化
  • 無料
iPhoneの場合、集中力が切れてくれるのを教えてくれるのはいいのだけれど、これの通知のためにiPhoneをわざわざ取り出すのもアレだな、と常々思っていた。通知がApple Watchでコストとリターンのバランスがちょうどいい。


Pokémon GO

Pokémon GO

これのおかげでKindle読み上げが使いやすくなった。

俺は歩いている時にiOSの読み上げ機能を使ってKindleを消化していることが多い。
しかしこれはポケモンGOと相性が悪い。というのも、この機能はバックグラウンドだと読み上げが終わってもページ移動してくれないのだ。そしてポケモンGOもバックグラウンドでは動かない。なので今までは、基本的にポケモンGOをアクティブにし、1ページの読み上げが完了するたびにKindleを開きページをめくり、またポケモンGOに戻るという運用をしていた。これは非常に面倒くさい*1

それがApple WatchポケモンGOを起動することで、iPhoneではKindleを開きっぱなしとなった。文字が続く限りページ移動が自動になったので便利。とはいえApple WatchポケモンGOは完璧とは言いがたい。ポケモンを捕まることはできないし、ポケストップに反応しないことも多々ある。せめてPokémon GO Plusと同様に捕まることぐらいはできるようになってほしい。

充電頻度

俺の使い方だと平日なら2日保つ。ただし毎日充電している。

  • 充電は夜に入浴中+αの時間に95%程度まで行う
  • 寝ているときは装着しっぱなし
  • 日中は40分くらいポケモンGOを起動
  • 他にアプリはほとんど使わず、通知を確認する程度
  • 充電前は50%以上残っている

毎日充電するのが面倒という意見はよく聞く。しかし俺はほとんど気にならない。アクティビティトラッカーを使い始めて4年近く経ち、すでに毎日充電するのが習慣になっている。さらに今年からメガネも毎日充電しているのだから*2、今さら充電するものが1個増えても大して変わらない。

バッテリーの余力を考えると2日に1回も行けるが、そうすると1回の充電時間が延びるので俺はそれを好まない。それにギリギリの運用だと、何かしらの例外が発生した時に切れるリスクがある。なので俺は毎日充電している。

終わりに

とりあえず今のところは買って後悔していないし、この利便性を知ってしまうと元には戻れないだろう。新型が出るたびに買うということは無いだろうが、壊れたらまた買うのは間違いない。これはそういう類のガジェットだ。

スマートウォッチは今回のApple Watchが初めてだが、腕に装着するタイプのアクティビティトラッカーはいくつか使ってきたので書いておく。

機種使用開始使用終了
PULSENCE PS-100BL2014年11月2018年1月
Jawbone UP32016年3月2016年9月
MISFIT RAY2017年7月2018年10月
PULSENCE PS-600C2018年1月使用中
Apple Watch Series 42018年10月使用中

現在は左手にApple Watch、右手にPS-600Cで運用中。左手に2個つけるゲイツスタイルもありかなと思ったが、ガチガチぶつかるのでやめた。ライドウォッチホルダーは2個が連結されているから成り立つ。そして塚本昌彦教授が片腕に3個つけていることの凄さを理解した。

仮面ライダージオウ DXライドウォッチホルダー

仮面ライダージオウ DXライドウォッチホルダー

腕時計の記事

*1:できる限りページをめくりたくないので、俺はKindleの文字サイズを最小にしている。

*2:メガネが映画を測る - 本しゃぶり


アニメの背景は実在する場所なのか問題

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聖地巡礼を行うためには、まず場所を特定する必要がある。
アニメの場合、その場所が実在するとは限らないから困る。

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ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』第3話

知らない場所

『5部』の3話を見ていて俺は思った。

「どこだここ」

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ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』第3話

今さら説明するまでもないが、ジョルノがブチャラティに組織への入団を伝えた場所のことである。

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ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』第3話

場所が原作と違っていた。これでは巡礼できない。

原作は「ヴィットーリア広場」

原作での場所は特定している。「ヴィットーリア広場」だ。

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 2巻』

「海の近く」で「カステル デローヴォ(卵城)が東側に見える」ということですぐに分かった。木の生え方もそのまんまなのでわかりやすい。

アニメは展望台っぽいところ

それに対してアニメは明らかに別の場所だ。展望台のようになっており、海からは離れている。

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ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』第3話

このような改変を行ったのは、「メディアの違い」によるものだろう。

直前まで、ジョルノとブチャラティはケーブルカーで戦闘していた。マンガだと瞬間瞬間を切り取って描かれているため、読者は場所の変化をそれほど感じず、時間の流れは自分で補完することになる。結果、急に場所が変わってもあまり気にならない。

しかしアニメの場合そうではない。背景は連続的に変化するし、作中の1秒は視聴者も1秒として感じることになる。結果、唐突に場所が変わると不自然に感じてしまう。なのでケーブルカーから離れた海岸ではなく、いかにも高台といった場所に変更したのだろう。

それで結局ここはどこなのか。

View of the City

この展望台が一番それっぽい。

ケーブルカーの最寄り駅 "S. Antonio"からは徒歩4分。高台から海が見える四角い場所と、基本的な要素は一致している。

しかしアニメと異なる点も多い。
* 柵の色が違う
* 街灯のデザインが違う
* 木が生えていない
* 周囲の建物・道が異なる

なので自信を持って「この場所だ」と言うことはできない。それでも、ここ以上に似ている場所を見つけられていないのが現状だ。

そしてここで「アニメに登場したあの場所は実在するのか」が問題となる。

非実在聖地という不安

実写の作品ならば、基本的に背景は実在する場所であると考えて良い。もちろんセットやCGということもあるが、それでも現実の場所を舞台としている作品ならば、ロケをしている可能性の方が高いだろう。

それに対してアニメだと話は違う。背景は写真から描き起こされることもあるが、想像によって描かれていることもある。もしかしたら複数の場所を適当に混ぜているかもしれない。「この場所がモデル」というのがあるとは限らないのだ。

背景が非実在の場所となると、聖地特定に勤しむのは不毛な作業となる。しかし『ジョジョ』の場合は聖地が存在する確率は高い

また監督らはイタリアへロケハンに行っており、ベネチアではどれが原作に近いトイレなのか調べたり、ナポリでは治安の悪さを肌で感じたりしたそうです。

津田総監督によれば「ジョジョを鑑賞して、『そうだ、イタリア行こう』と思っても大丈夫です。聖地巡礼しやすいように忖度してみました」とのこと。
「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」ジャパンプレミアでジョルノ役・小野賢章とブチャラティ役・中村悠一が登壇、エピソードを削ることなくアニメ化 - GIGAZINE

これは『試練』だ。
不安に打ち勝てという『試練』とオレは受け取った。

5部聖地まとめ

『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』5話における聖地巡礼への忖度

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アニメ『ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』は聖地を特定しやすいように作られている。
もはや現地へ行けというメッセージにしか思えない。

監督による忖度

前回の記事でも紹介したが、5部のアニメは聖地巡礼しやすいように作られたと監督自ら言っている。

津田総監督によれば「ジョジョを鑑賞して、『そうだ、イタリア行こう』と思っても大丈夫です。聖地巡礼しやすいように忖度してみました」とのこと。
「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」ジャパンプレミアでジョルノ役・小野賢章とブチャラティ役・中村悠一が登壇、エピソードを削ることなくアニメ化 - GIGAZINE

しかしながら3話に関しては、実際の場所とアニメの描写が完全には一致していなかったため、本当に忖度されているのだろうかと思った。

だが5話を見て確信した。確かにこの作品は聖地を特定しやすくなっている、と。

この記事では5話で新たに追加された聖地の紹介と、忖度の内容について説明する。

追加された聖地

5話で新たに追加された聖地は2箇所ある。

Piazza Giovanni Bovio

Piazza Giovanni Bovio (Napoli).jpg
By IlSistemone - Own work, CC BY-SA 3.0, Link

ブチャラティが歩きながらジョルノにパッショーネの説明をしていた場所。イタリアの哲学者で政治家のジョバンニ・ボヴィオの像があるロータリー。

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ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』第5話

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ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』第5話

ヨットを借りた店の場所

ブチャラティ達がカプリ島へ行くためにヨットを借りた店。先のロータリーから約1km離れた場所にある。Google Mapsを見た感じでは、店というより倉庫に見える。

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ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』第5話

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ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』第5話

忖度について

5話で聖地を2ヶ所特定できたが、これは俺がナポリに詳しいからではない。簡単に特定できるように作られているからである。

まず1つ目のロータリーは分かりやすい。特徴的な彫像が写っているため、ナポリで中心に彫像のあるロータリーを探せばいいだけだ。

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ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』第5話

建造物だと横から見るか上から見るかで印象が変わるため探すのは難しいが、ロータリーだと航空写真ですぐに分かるのが良い。


2つ目のヨットハーバーについては、建物のシーンだけだと探すのは難しい。ストリートビューで海沿いを延々と探し続けるのは辛いものがある。そこで出港の様子を上空から映すという解決策が提示された。

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ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』第5話

これならば航空写真で簡単に見つけられる。

このように、5部アニメでは遠景や上空からの光景を適度に挟むことによって、聖地の特定を容易にしていることが分かる。

また、ヨットハーバーの描き方によって、前回の記事で特定した場所が正しかったと確信できた。ヨットハーバーは現実とアニメで細かい点がいろいろと異なる。本作では、街灯の1本に至るまで完全に再現というわけではないようだ。したがって、大まかな地形があっていれば、そこがモデルと判断していいだろう。

終わりに

今回で5部アニメは本気で聖地巡礼を考慮した作りとなっていることが分かった。この先も、遠景や上空からのシーンがあったらモデルの場所を特定していきたい。

聖地巡礼マップ

アニメ5話までの内容を反映させた。

5部聖地記事

けものフレンズ聖地巡礼『すいどうきょう』

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アニメ『けものフレンズ』のEDに登場するクラウディア水道。
そこへ聖地巡礼してきた。

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行き方

メトロA線のSubaugustaから700m歩くと公園に着く。Google Mapsではそこから入れないことになっているが、実際はそのまま行ける。

公園に入って行くと、目の前に筒状の壁のようなものが現れる。

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中央を横切る黒いやつ

古代ローマが好きな俺はすぐに分かった。

「これは水道橋の上部だな」

そして右の方を見ると、水道橋の下部が次第に露出していっている。俺は迷わず右へと足を進めた。

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だんだん見えてきた

端が見えるところまで来て俺は思った。

「君なんか写真と違わない?」

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これじゃない

来るところを間違えたかと思い、マジで一度帰りかけた。

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その時に買った怒りのパワーエイド 2ユーロ

パワーエイドを口にして冷静になった俺は、なんでこの場所が正しいと思ったのだろう、と考えた。そこでこの公園を知るきっかけとなった記事を読み返した。

途中、コンクリートの小さな土手がありますが、土手を越える小さな階段が付いているのでそれを利用して更に進みます。
ローマに来たなら一度は近くで見てみたい、迫力のローマ水道!(公園の行き方最新情報) イタリア/ローマ特派員ブログ | 地球の歩き方

俺は戻って土手を越えた。

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水道橋あらため土手の上

その後に小川を渡り、左に曲がって道なりに歩いていくと、水道橋の残骸が目に入る。

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水道橋の残骸

さらに進んでいくと、例の場所にたどり着けるというわけである。

写真いろいろ

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終わりに

水道橋を見ている間ずっと『ぼくのフレンド』を聴いていた。

去年パルテノン神殿に行ったときは『ペガサス幻想』を聴いていたのだが*1、やはりOPとEDでは感じ方も異なる。ひたすらテンションが上った前回に対し、今回は「この旅も終わりか……」という感じだ。まあ実際に終わるのだが。

かなり過酷な旅ではあったが、最後がいい感じで良かった。

後は無事に帰るだけである。

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白黒にするとさらにそれっぽい

けものフレンズの記事

さすがにこれを書いたときは、聖地巡礼すると思ってもみなかったよね。

ジョジョのイタリア聖地巡礼 黄金の風邪

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イタリアへ『ジョジョの奇妙な冒険』の聖地巡礼へ行った。
行き先はネアポリスカプリ島ポンペイ遺跡、ヴェネツィアサルディニア島、ローマである。

つまり、5部のほとんどだ。

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17巻分の量があるので目次を用意した。

行くまでの流れ

2018年3月、今年度もどこか海外へ行こうと思い、日程を確保するためにカレンダーを殴った。

生まれろ…… 連休よ…

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2018年11月のカレンダー

こうして11月に17連休が生まれた。

2018年6月、1つのツイートが目に入った。

これはもう『計画』を実行に移す時が来たとしか思えない。

5部のメインストーリーは『9日間』である*1。俺の確保した日数ならば実行することが『可能』だ。

連休中の日程は以下となる。

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連休の日程

11/12の午前中にイタリア到着。観光できるのは11/21までで、11/22の午前中にイタリア出国。つまり聖地巡礼に割り当てられる日数は9.5日である。作中では康一くんがネアポリスに到着するところから始まるので、マージンが1日だけあるという形だ。

帰国してからは力尽きることが目に見えているため、回復期間として3日用意した。

全体の日程を説明したところで、いよいよ聖地巡礼の記録を書いていく。

ネアポリス (イタリア1日目)

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聖地巡礼第1の都市』Vedi Napoli, e poi muori. (ナポリを見て死ね)

ネアポリス空港 (カポディキーノ国際空港)

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ネアポリス空港内

アブダビ、ローマを経由して到着。ここが今回の旅行のスタート地点となる。

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ネアポリス空港外観

白タクに声をかけられることは無かった。さらに言えばタクシーを待つ人が並んでいるということも無い。旅行者の多くはバスで中心部まで行くからだろう。当然、俺もそうした。

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ネアポリス市内行きのシャトルバス

バスの料金は5ユーロ*2。ジョルノが提示した料金よりはるかに安い。

空港の前には休憩できるスペースがある。

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ネアポリス空港前

アニメで涙目のルカがやられたのはここである。こんな目立つところなら目撃者は間違いなくいるし、ジョルノが疑われるのも当然だろう。

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ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』第1話

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ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』第1話

空港に到着して「さあ観光だ」と思ったところで、スコップを振り回している男に遭遇するネアポリスは怖いところ。

ジュゼッペ・ガルバルディ広場

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ジュゼッペ・ガルバルディ広場

中央駅前にある広場。写真右奥の方へ進むと駅がある。手前に駐車中の車が写っているが、警官時代のアバッキオはこの位置にパトカーを停めて窓ガラスを割られている。

モンテサント広場

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モンテサント広場

パッと見た感じでは花屋は無かった。

卵城

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卵城

ここは特に舞台としては使われていないが、背景にちょくちょく登場するので撮影。

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卵城への橋

アニメではジョルノの母親が結婚写真を撮った場所になったので、聖地としてちょっと格上げされた。

ジェラート

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チョコレートとピスタチオを2段で1つ

ソルベとセットの方ではなく食べ物の方。ネアポリスは11月でも最高気温が20℃を超えるので、ジェラートをおいしく頂ける。アニメと同じ立地の店は見つけられなかったが、ジェラート屋はあちこちにあるので適当な店で買えば良い。2.50ユーロ。

フニコラーレ

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フニコラーレ

残念ながら作中と違う車体。椅子も折りたたみ式ではなかった。

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フニコラーレの椅子

なお、俺は1日目にフニコラーレに乗れず、この写真を撮影したのは3日目のことである。1日目に乗ろうとした駅では切符が自動販売機のみであり、そこでは硬貨しか使えなかった。俺の財布にある硬貨は1ユーロのみ。近くに売店なども無いため、両替もできなかったのである。なので硬貨を切らさないように注意すべきだ。ヨーロッパではトイレが有料で硬貨が必要なことも多いので、なおさらである。

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フニコラーレの中から

View of the City

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View of the City

アニメでジョルノがブチャラティと戦い、その後パッショーネに入団すると宣言した場所*3。ここについては少し前に記事にしている。

アニメの背景は実在する場所なのか問題 - 本しゃぶり

ここには下から歩いて来たのだが、坂をウネウネと登らなくてはいけなかったので大変だった。

タクシーを使わないのであれば、アニメと同じくフニコラーレの駅から行くべきだ。

ここからの眺めはView of the Cityというだけあって、街並みを一望できて良い。

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View of the Cityからの景色

ただし、見ての通り夕方になるにつれて街に影がかかってしまう。行くのならもっと日が高い時間帯が良いだろう。

ヴィットーリア広場

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ヴィットーリア広場

こっちは原作でジョルノがブチャラティパッショーネへの入団を宣言した場所。作中ではこの方向に見たとき樹が2本あったが、現在は見ての通り片方が折れてしまっていた。見た感じごく最近の出来事だろう。

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折れた樹の先端が転がっている

また、作中では子供たちがここでサッカーをしていたが、この場所は周囲を道路に囲まれており、交通量も多い。相当に迷惑なガキどもである。

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ヴィットーリア広場の周囲

刑務所

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刑務所の正面

トラブルになるのは避けたいので、サクッと撮影して早々に撤退した。因縁をつけられた場合に弁解できる語学力は無い。

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刑務所の外壁

中通りに進めるなら、ここでライターを点火して24時間守り通さなくてはいけない。だがそれは面倒なので、あらかじめ日本で試験を受けてきた

これで行動を1日前倒しにできる。

Piazza Giovanni Bovio

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Piazza Giovanni Bovio

アニメでブチャラティがジョルノにパッショーネの構成を説明していた場所。これも記事にしている。

『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』5話における聖地巡礼への忖度 - 本しゃぶり

中央駅から港へ向かう途中にあるため、ここで説明をするというのは地理的にありえる改変である。

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反対側から

ヨットを借りた場所

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アッミラリーオ・フェルディナンド・アクトン通りから

アニメでカプリ島へ行くためにヨットを借りた場所。

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モデルとなった建物

モデルとなった建物はどう見ても運営されていない。Google Mapsで店の名前が出ない時点で、そんな気はしていた。

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正面からの様子

わざわざ港まで来たが、カプリ島へ行くのは翌日である。

カプリ島 (イタリア2日目)

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2代目ローマ皇帝ティベリウスが在位中に引きこもったことで有名な島。

カプリ島への行き方

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カプリ島行きのフェリー

カプリ島へのポピュラーな行き方はサーレーも利用した高速艇だろう。この高速艇はかなり揺れることで有名で、船上でギャングダンスを踊るのは困難と言われている。

俺の場合はフェリーだったせいか、ぜんぜん揺れなかった。行ったタイミングがハイシーズンで無かったため、高速艇は運行していなかったのだ。カプリ島への船の時刻表は以下のサイトで確認することができる。

Capri Tourism

フェリー内部はこんな感じ。

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カプリ島へのフェリー内部

天井があると踊る気にならない。

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マリーナ・グランデに入港

1時間ほどしたらカプリ島の『マリーナ・グランデ』に到着である。

マリーナ・グランデ

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マリーナ・グランデ

いかにも観光地の港という感じ。

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ボート監視小屋がある辺り

例のボート監視小屋は無かった。

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クルージングの船

せっかくカプリ島へ来たのだから島を一周するクルージングを申し込んだ。残念ながら『青の洞窟』は高潮で入れず。まあ、ジョジョの聖地ではないからいいけれども。

島の上の方まで

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公衆トイレへ向かう途中

公衆トイレのモデルは後述するようにフニコラーレの駅であるため、マリーナ・グランデからフニコラーレで行くのが一番楽である。なので俺もフニコラーレのチケットを当然のように購入したら、運休していた。どうやら当日の朝までは運行していたらしい。

「運休しているチケットを売るな」と文句を言いにチケット売り場へ行くと、代行のバスがあると言う。ジョジョ的にはカプリ島の道路を走れるのは悪くない。むしろ望むところだ。こうしてバスに乗って島の上まで行った。

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カプリ島の道は狭い

公衆トイレ

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公衆トイレの上

作中で公衆トイレだった建物は、実際にはフニコラーレの駅+レストランである。実際のトイレは、右にあるオッサンが座っているベンチの脇から下へ降りたところにある。

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トイレの案内板

入場料50セントを支払って中に入ると、カプリ島らしく青かった。

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カプリ島のトイレその①

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カプリ島のトイレその②

アニメでもトイレが全体的に青かったので、製作スタッフはよく分かっている。

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ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』第9話

ちなみに俺がトイレ内をパシャパシャ撮影していると、欧米人っぽいオッサンが入ってきて一眼レフで撮影し始めた。俺が知らないだけで、カプリ島のトイレはジョジョと関係なく観光スポットになっているのだろうか。

ポンペイ遺跡 (イタリア3日目)

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以前から『古代ローマを巡る旅』ということで行きたいなと考えていたが、先にジョジョ聖地巡礼として来てしまった。

ポンペイへは駅員に勧められるまま、ヴェスーヴィオ周遊鉄道のソレント線を使い、Pompei Scavi - Villa Dei Misteri駅から行った。『犬のゆか絵』がある『悲劇詩人の家』へはここから行くのが一番近い。

悲劇詩人の家

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悲劇詩人の家

「乗り物」の鍵が置いてある『悲劇詩人の家』だが、見ての通りアクリル板で塞がれていた。これでは鍵があっても拾うことはできない。

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犬のゆか絵

『犬のゆか絵』の保存状態は良く、鍵を隠せるようなヒビ割れは無い。こんなところに鍵を置いたら、すぐ観光客に見つかるだろう。ボスは秘密主義のくせに観光スポットを利用したがるから困る。

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別角度から

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別のポンペイ

アバッキオが「ポンペイか ガキのころ遠足で来たきりだな……」と言っていたが、実際にも遠足っぽい集団は何度か見かけた。もちろん『悲劇詩人の家』の前にも。やっぱり鍵を隠すの無理があるだろ。

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ガキの遠足

ここの他に『円形闘技場』や『秘儀荘』も見学した。だがジョジョとは関係ないので割愛する。

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ムーディー・ブルースの手が飛んでいった道

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ポンペイ遺跡内にあったゴミ箱

ヴェネツィア行き超特急 (イタリア4日目)

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ETR400

ジョジョ的にはフィレンツェ行きの列車に乗ってローマ近郊まで行き、旧アッピア街道を少し歩いた後に車を手に入れてヴェネツィアへ行くのが正しい。だがそこまでするのは大変なので、俺は素直にヴェネツィア行きの列車に乗ることにした。必ずやるって決めた時は『直線』だッ!

このイタリア国鉄ETR400電車の最高運転速度は300 km/hである*4ブチャラティ達の乗った電車の2倍の速度だ。ネアポリスからヴェネツィアまで5時間5分で行ける。

ネアポリス駅 6番ホーム

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まずは6番ホームへと向かう。俺が乗る列車が来るところは違うが。

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この状況を見たとき「ふざけるな」と思った。

が、冷静になってよく見ると矢印が書いてある。奥の方へと進むと、6番ホームはちゃんと使える状態にあった。

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6番ホーム


水飲み場は何年か前に撤去されたことは知っていた。それでもちゃんと探せば亀は見つかるものである。

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亀 (私物)

車中にて

亀を入手したので列車に乗り込む。

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冊子が置いてある

定刻どおり列車は走り出した。車内改札も印刷しておいたeチケットを見せて問題なし。ここまでは順調と言いたいがそうでもない。

気分が悪い

頭痛がするし、まだ午前中だというのに疲労を感じる。食欲も無い。

「これは『ザ・グレイトフル・デッド』による攻撃ッ!」と言いたくなるが、もちろん違う。この状態異常は昨日の夜から始まっていた。



イタリア3日目夜の出来事

ポンペイ遺跡へ行った日、あまりにも疲れていたので早く寝ることにした。しかし夜中、心拍数が異常に高まったのである。

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3日目夜から4日目にかけての心拍数

俺が普段寝ている時の心拍数は50~70bpmあたり。にもかかわらず22時を過ぎた頃から上昇を続け、ついには100bpmを超えて俺は目を覚ました。

そしてあまりの気分の悪さに、とりあえず体温を測る。

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38.6℃

「発熱」!それは……
『爆発するかのように襲い…そして下がった後も不調が残る』……

疲労からの発熱、そして風邪というパターンに陥った。旅行先で体調を崩したことは以前にもあったが*5、さすがにここまで序盤じゃあない。まだ全17巻ある内の6巻の途中という段階だ*6。まだボスを裏切ってすらいない。

こうなると『ワクチン』が欲しい。いや、『ワクチン』は無毒化あるいは弱毒カ化された抗原を投与することで、あらかじめ免疫を獲得しておくことにより病原体に備えるというものであるから、今回だと手遅れ。今必要なのは、すでに免疫抗体を含んでいる『血清』である。もしくは風邪薬。

しかし現実は非情である。助けてくれる人はいないし、薬も無いのだ。



このような状態で、俺はヴェネツィア行きの列車に乗り込んでいたのだった。朝の時点での体温は37.7℃。ちょっとは下がったがまだ高いが行くしかない。いったん歩み始めたら体温が1℃や2℃高まろうとも決して『聖地巡礼』は中断しないのだ。

ローマ近郊

体調不良でもジョジョネタは忘れない。

リベルタ橋

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列車からのリベルタ橋

列車でヴェネツィア入りするので、当然リベルタ橋を渡って行くことになる。リベルタ橋では線路と自動車道路が並行しているが、駅の直前で道路は右へ大きく曲がって分かれる。

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ヴェネツィア側から見たリベルタ橋

上の写真では線路が左から右へ横切っているのに対し、道路は手前に向かってきている。なのでジョルノとミスタの車はサンタ・ルチア駅の南側を回り込むようなルートで来たと予想される。

ともあれ俺は不調ながらもヴェネツィアに到着した。

ヴェネツィア (イタリア4・5日目)

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テラフォーミングした火星のような街。

中通りのペースなら5日目の夜明け前に到着し、午前中のうちに飛行機でサルディニア島へ行くことになる。さすがにこの日程だとまともな巡礼は無理なため、俺は4日目の午後入り、6日目の午前にフライトというスケジュールとした。

サンタ・ルチア駅

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夜明け前のサンタ・ルチア駅

夜明け前ではあるが、ヴェネツィアの玄関口だけあって人は結構いる。これだとエアロスミスのレーダーは使えないだろう。なお俺がこの写真を撮ったのは11/16 6:49であり、当日のヴェネツィアの日の出は7:10である。一方、作中のヴェネツィア4/2であり*7、この頃の日の出は6:50ぐらい*8なので人通りはそんなに変わらないと予想される。

写真で左手前に写っている街灯は、ギアッチョの首に刺さったものと思われる。

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街灯とゴミ箱

街灯を反対側から撮影。DISCを見つけるためにギアッチョがひっくり返したゴミ箱もある。しかし『ライオン像』は無い。割と有名な話だが、ライオン像はヴェネツィアのあちこちにあるのだが、肝心のサンタ・ルチア駅には存在しないのだ。もしライオン像を見たいのであれば、一番有名なサン・マルコ広場のを見に行くのが良い。

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サン・マルコ広場のライオン像

あのライオンは旧約聖書に出てくる四頭の有翼動物の一頭で、福音史家マルコを表したものだと言われていると、ウンディーネから教わった。

運河を挟んで駅を見るとこうなる。

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運河を挟んで見たサンタ・ルチア駅

ジョルノたちは運河から上陸したが、実際には水上バス乗り場が邪魔くさい。

さて駅に到着してから待つこと震えながら1時間半。ようやく朝日が見え始めた。日の出の時刻は7:10だが、駅からだと建物があるため遅くなるのだ。さすがに1時間もかかるとは予想していなかったが。

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登りゆく朝日

ミスタ…
あなたの『覚悟』は…
この登りゆく朝日よりも明るい輝きで…… ちょっと待て

朝日の上がる『位置』が違う。

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 9巻』

これは時期の違いによるものじゃあない。4月ならもっと北寄り (写真左寄り)になるはずだからだ。なので作中の朝日は完全にフィクションだと言える。

「それくらい別にいいじゃあないか」と言われそうだが、このために俺は朝日を撮りそこねるところだった。俺は上記コマのギアッチョの位置で朝日を待ち構えていた。そうするとサン・シメオン・ピッコロの影になるため朝日が見えないのだ。

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影の中にいて「朝日がなかなか出ないけど、なんか隣が妙に明るいな」と思って移動したら「既に朝日は登っていたッ!」というわけである。危ないところだった。マンガを信じるのは程々にしたほうが良い。

サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会

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あいかわらず観光スポットを利用するのが好きなボスである。ここへはサン・マルコ広場近くから水上バスで1駅。

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上陸

無事に上陸したが、入る前にお約束。

そうだ… ジョルノ!最後の任務がうまくいくようにおまえのその「お護り」をくれないか?
てんとう虫は「太陽の虫」生命の象徴だったよな
「お護り」なんだろ?そのブローチ

………………………

そうだろジョルノ?

ああ……そうでした
ええそのとおりです 「てんとう虫」はお天とう様の虫です…
幸運を呼ぶんです

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amazonで2851円です

さすがに原画展のは持っていくには高価すぎる*9

茶番はこの程度にしておいて、教会内部から塔へと向かう。

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教会内部

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塔への通路

ここで原作ではどのように描写されていたかを確認しておきたい。

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 9巻』

すぐに分かるのは像に対して扉の位置が「左右反転」しているということである。原作では像に向かって「右側の壁」にあるのに対し、実際は「左側」だ。だがこれ以上に大きな違いがある。それは教会の構造が完全に変わっているということだ。

塔へ行くためには、まず教会内部へ入り、左の扉から廊下へと出る。

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http://www2.oberlin.edu/images/artime14.htmlに追記

廊下はこのように進む。

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教会内部から廊下へと出たところ

実は作中と進行方向が『』なのである。実際に塔へ行くときには像に背を向けて進むのだ。

さらに実際はもっと通路は長く、途中に塔に上るためのチケット売り場もある*10。したがって実際は以下のようにエレベーターへと向かう。

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長い

エレベーター内の階表示やボタンは作中と異なるデザインだった。趣が無い。

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エレベーター内部のデザイン

エレベーター内で撮影をしていたら、一緒に乗った観光客が笑っていた。確かに普通は熱心に内部を撮影しないだろう。

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エレベーターの床

特に誰も連れ去られることなく塔の上に到着。

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塔の上

ボスはここでブチャラティ達の行動を見張っていたかもしれないが、接岸してからの動きは見えにくい。「指令④ 他の者は船上にて待ち… 上陸を禁止する!」と言っていたが、これでは監視カメラを用意しておかないと分からないだろう。実際、ジョルノはしれっと上陸していたし。

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教会入口の前は完全に死角


この塔は『鐘楼』なので、上を見上げると鐘がある。

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なお、教会の地下に納骨堂があるかは分からなかった。残念。

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立ち去る時は「裏切り者」になった気分を味わう

イカスミ』のパスタ

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パスタが17ユーロでコーラは4ユーロ、それにサービス料2.50ユーロ

2部にも登場したイカスミのパスタ。リアルト橋近くのレストランで注文。何か食べようかと歩きながらメニューを眺めていたら、店員から「イカスミうまいよ」的な声をかけられたので注文することにした。「髪はボサボサで無精ヒゲなアジア人男性お一人様」を一番目立つ席に案内したので、ヴェネツィアでは金さえ払えば誰でもいいのかもしれない。

味については語らない。風邪の人間にまともな味覚は無いからである。

ヴェネツィアングラスでワインは飲まない。アルコールは薬物。

リアルト橋

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ヴェネツィアで訪れた5部の聖地は以上だが、2部の聖地もあるのでヴェネツィア観光はまだ続く。このリアルト橋はリサリサが登場した場所である。

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ジョセフとシーザーが立っていた辺り

原作と同じ構図で撮影すると、原作よりもゴチャゴチャしている。この違いは時代によるものなのか、虚構によるものなのか。

有名な撮影スポットなだけあって、橋の上は非常に混んでいる。

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リアルト橋の上

撮影中にスリにやられるという話をよく聞くが、この状態なら当然だろう。こんなに人が多い中で「水の上に立つ」というパフォーマンスをしたら大騒ぎ間違いなしだ。

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カスタムキャストで波紋戦士

サン・マルコ広場

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2部でリサリサがスリに遭った場所。先に述べたように有翼のライオン像を見に行く場所でもある。

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リサリサがお茶していた辺り

リサリサがお茶していたのはこの辺だろうか。実はこの場所の特定が悩ましい。サン・マルコ広場を上から見るとこうなっている。

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Dionisio Moretti [Public domain]

一般的に『サンマルコ広場』と言うと、Google Mapsでもそうなっているようにサン・マルコ寺院の真正面である『Aの広場』を指すことが多い。それに対して原作におけるリサリサの席からの景色はこうなっている。

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第2部 3巻』

ポイントとしては「サンマルコ寺院の側面が見える」「街灯がある」の2つだ。そして『Aの広場』へ行ってみると、鐘楼の死角に入ってサンマルコ寺院の側面は見えず、街灯も無い。

そうすると『Bの広場』ということになるが、そこからの景色は上の写真の通りで、広場の外周を取り囲む建物の見える範囲が狭い。これ以上は鐘楼の死角に入るのだ。つまりどちらの広場からでも鐘楼が邪魔になるということだ。

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Dionisio Moretti [Public domain]

もうジョジョを再現するためには鐘楼を爆破するしかない。

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『Aの広場』で撮影

ちなみにサン・マルコ広場はリサリサがお茶した場所でもあるが、同時に「ポップコーンをランプよりも高く投げて口でキャッチする場所」でもある*11。アレは明らかに『Aの広場』のようだが、やはり街灯の問題が残る。

サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ聖堂

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岸辺露伴が懺悔室に入った教会。懺悔室は作中と異なるデザインだったが、写真は無い。知っての通り「写真撮影禁止」だからである。

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NO PHOTOS

職員がいるのに一眼レフでパシャパシャ撮影している強者のオバサンもいたが。

これでヴェネツィアの聖地は終わり。アニメで増えそうな気はするが。特にヴェネツィアは。

サルディニアへ向かえ (イタリア6日目)

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6日目の朝、サルディニア島へ行くためにヴェネツィアを発つ。

水上バス

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ヴェネツィア・テッセラ空港へは、リベルタ橋を渡っていく『自動車のバス』を利用するか、『水上バス』を利用するかの2択である*12。当然俺は作中に合わせて船で行きたいため、水上バスを選択した。

俺が乗る予定の水上バス8:04発。乗り場まで少し歩くため、余裕をもって7:40にチェックアウトしようと考えていた。ところが宿のオバサンが「チェックアウトは8:30以降だ」と言って譲らない。焦る。

幸い別の従業員に頼んでチェックアウトでき、水上バスの出発に間に合った。早めの時間にチェックアウトする時は、予め伝えておいたほうが良い。

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さらばヴェネツィア

フライトコード2つ

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サルディニア島へは飛行機で行くわけだが、普通あそこへはバカンス目的で行く。俺が訪れたのはシーズンオフの11月。そのためヴェネツィアからの直行便が無い。仕方がないのでローマで飛行機を乗り継ぐ。フライトコードは『2つ』あったッ!

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 11巻』のに追記

今回の旅は何度もローマを経由している。最初にネアポリスへ行くために経由し、ヴェネツィアへ行くときも経由。そして今回のフライトだ。「全ての道はローマに通ず」を身をもって体験している。

このフライトはLCCかつ国内線なので機内サービスが飲み物だけなので寂しい。

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機内サービスのコーラ

なんか塩気のあるものが欲しい。ピッツァマルガリータが食べたい。

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ネアポリスのピッツァマルガリータ 1.50ユーロ


翼の上をサッカーボールが転がることも無くサルディニア島に到着した。途中、乗り継ぎのチェックインが中々できなくて焦ったが、大した問題ではない。降り立った場所はドッピオと同じく『オルビア』。

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 12巻』

サルディニア島 (イタリア6〜8日目)

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サルディニア島での宿

俺にとってのサルディニア島のイメージは完全に上の写真である。なぜなら俺はここからほとんど動けなかったからだ。

既に落ちてきた空の下で

空港から出たら雨が降っていた。この旅ではこれまで天気は良かったが、ここから状況は変わる。そして俺は傘を持ってきていない

今回は荷物を全て機内に持ち込みたく*13、そのため荷物を「総重量8kg以下+身の回り品」に抑える必要があった。そして今まで旅行中に雨に降られたことは無いので、傘は置いていくことに決めたのである。

それが裏目に出た。幸い空港から宿まではほとんどバスで行け、それほど濡れること無く辿り着けた。しかしその後の行動は制限される。さらに天候だけでなく体調も悪い。宿に到着して体温を測定した。

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6日目夕方の体温『38.8℃』

ここに来て記録更新。朝は36.0℃だったので「ついに治ったか」と考えていたが甘かった。しかも鼻水が止まらなくなる。この鼻水問題は旅行中ずっとつきまとうことになる。

何でも旅行の時、体調を崩して発熱していても巡礼をやめなかったとか……
その後遺症のせいで熱が下がった今でも常に鼻水だとか……

ズズッ

結局イタリアでティッシュを4個買って、全て使い果たした。

7日目 (サルディニア島2日目)は雨が止んでいたので外に出られる。とはいえコスタ・ズメラルダへ行くつもりは無かった。体調以前の問題としてバスが無いからである。この日は日曜日。シーズンオフの時期だからかもしれないが、オルビアからコスタ・ズメラルダへ行く公共交通機関が無いのだ。ドッピオがタクシーで行ったのも当然である。

なので7日目は近くのスーパーマーケットへ行き、飲み物とティッシュ購入した。

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オルビアの風景その①

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オルビアの風景その②

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オルビアの風景その③


それから食事もした。食欲は無いが、『体力』へのダメージがあってはならない。

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ケバブライス 6.50ユーロ

イタリアだからトマトソースかと思って盛大にかけたらチリソースだった。辛い。

8日目 (サルディニア島3日目)はずっと雨が降っていた。サルディニア島からローマ*14へ向かう船の出発は22:30。それまでどうしようと思ったら、宿の人が「掃除は明日するから今日は好きなだけいていいよ」と言ってくれた。その言葉に甘えることにした。

予定ではこの日にコスタ・ズメラルダへ行くはずだったが、俺はあそこに………近づかない。単独でやってきた自分に『自信たっぷりのオタク』は無様にもベッドで倒れていた。
くだらない男さ。なんだって途中で終わっちまう。いつだって途中でだめになっちまう…………

だがいつまでも倒れているわけにはいかない。
あのバスに乗るんだ……… もう行かなくては………… オレは船に乗るために向かわなくては…!!!

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バスを待つ

宿を出る前の体温は38.7℃。傘が無いから冷たいし寒い。バスが来なかったら再起不能になっていた。

目的地はローマ (イタリア8日目夜〜9日目朝)

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フェリーターミナル

サルディニア島からローマへ行くためには、まず夜行フェリーでチヴィタヴェッキアへ行く。そして列車でローマへという流れとなる。

夜行フェリー

俺の乗ったフェリーは22:30に出航し、翌朝6:30に到着。チケットは既に予約が完了している。フェリーターミナルで「チケット プリーズ」と言って、印刷しておいた予約確認証とパスポートを出すことでチケットをゲット。

フェリー内部はこんな感じ。

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フェリー内部

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売店 (食堂)

これだけ見るといい感じだが、一つ問題がある。俺が寝るベッドが無い。もちろんこのフェリーにもベッドそのものはある。だがそれは2人部屋や4人部屋を一人で使うことを意味する。当然値段は高い。俺が求めているのは商船三井フェリーで言うところの『コンフォート』や『ツーリスト』のような寝るだけの場所である*15

ではどうやって夜を過ごすかと言うと、あのホテルのロビーにあるようなソファで寝るのだ。予約した時はそれでいいと思っていたのだ。まさか旅先で発症するとは……

チヴィタヴェッキア

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まともに寝られなかったが、ローマの外港チヴィタヴェッキアになんとか到着。カビに襲われている人はいないが、俺にはカゼの攻撃がまだ続いている。

到着したところで『良い話』と『悪い話』がある。まず良い話だが、チヴィタヴェッキアもローマも昼頃までは雨が降らない。傘はローマに着いたところで買えば良い。

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到着時のチヴィタヴェッキアの様子

そして悪い話だが、到着したフェリーターミナルから駅までが2.2kmと遠い。しかもバスが無い。Google MapsでもMoovitでも出てこないし、出発時刻を変えても無駄。しかもタクシーも見つからない。

…………

この脚のみで道路を歩いて到達する。

いつもならこの程度なんてことはないが、体調不良、寝不足、10kg超の荷物を背負ってとなると、力尽きるほどにハード。

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チヴィタヴェッキアの風景その①

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チヴィタヴェッキアの風景その②

何度も立ち止まり息を整えながら、なんとか駅にたどり着く。後は列車に乗っているだけでいいので簡単だった。

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ローマ・テルミニ駅

ローマ (イタリア9・10日目)

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ついにローマ。見たいところはたくさんある。しかし時間も体力もわずかしかない。なので今回はジョジョ聖地巡礼に特化することにした。それ以外は全て切り捨てる*16

ボルゲーゼ公園

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ここはチョコラータのヘリコプターがジョルノによって捕獲された場所である。では公園のどこで行われたのか。原作の地図を確認してみる。

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 15巻』

俺はこの印がついている場所へ向かった。

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ヘリコプターを捕獲した場所

……………

地図上では間違いなくここなのだが、建物が無い。ゴールド・エクスペリエンスがいなくても木が生えているし、ついでに草も生えている。『ピンチョの丘』を取り囲む壁はちょっとそれっぽいが、『ムーロ・トルト通り』の内側だから明らかに違うし。

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ピンチョの丘周囲の壁

あの建物が実在するのか怪しくなってきた。もう少し現地で調べたかったが、体調は相変わらずだし、雨も強くなってきている。

ここは『退く』のだ……………
」から身を隠し反撃の時期を待つ…………
ここで一時『退く』のは敗北ではない……………!!

トリトーネの泉

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シーザーがハトに勝てなかった場所。ボルゲーゼ公園から、我が『逃走経路』の途中にあったので立ち寄る。雨の日だと噴水の価値が著しく下がるから困る。

ヴェネツィア広場

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ブチャラティとセッコが戦ったこの広場は、『ヴェネツィア宮殿』があるからこの名前となったらしい。しかし実際は『ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂』の方がはるかに目立つ。

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ブチャラティとセッコが戦った辺り

上の写真はブチャラティとセッコが戦った辺りを写したものである。どう見ても『記念堂』を撮影した写真にしか見えない。

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チョコラータが死んだことをセッコが知った時の位置から

原作を読み返すと『記念堂』が何度も背景に登場しているが、正直なところ現地へ行くまでこれの存在に気が付かなかった*17。実物を見るとその大きさに「なんでこんなの作っちゃったの」となる*18。名所というものはだいたい合理性に欠けるから名所となるのではないかと思う*19

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ブチャラティが潜った辺り

コロッセオ

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コロッセオポルナレフがジョルノ達を待っていた場所である。

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ズリ…… ズリリ…

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わたしの名は…… J・P・ポルナレフ

行く前から分かっていたが、ここほどポルナレフが待つのに不向きな場所もそうないだろう。世界中から観光客が次から次へとやってくるし、警備だって厳しい。入場するためには荷物検査だって必要だ。

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空港でやるような荷物検査

しかも5部のポルナレフは車椅子ユーザーである。『バリアフリー』という言葉が無かった時代に作られただけあって、コロッセオの階段はかなり急だ。ポルナレフはトイレへ行くことすら気軽にできなかっただろう*20

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オレは上!

諸々の問題をクリアできたとしても、肝心の「周囲を見張ることができるか」という点も特に優れていないのが残念。下はヴェネツィア広場へ通じる道をコロッセオから眺めた様子である。

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ポルナレフ視点の光景

こうしてみると「なかなか見張りに向いているではないか」と思うかもしれない。しかし、反対側の様子を見たいと思ったらどうだろう。コロッセオは広い… 一周527メートルもある。

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コロッセオは広い

チャリオッツは自分の目の届かないところで闘えるスタンドじゃあない。どう考えても選択ミスだ。

死に場所の確認もしておく。ブチャラティの肉体 (中身はドッピオ) が転がっていたのは俯瞰図からしてこの辺りだろう。

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ブチャラティの死体が転がっていた辺り


一方ジョルノの肉体 (中身はナランチャ) が刺さっていたのは、位置関係からしてこの柵になるが、形状が異なる。

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ナランチャが刺さりそうな柵

蒲焼きのようにナランチャが刺さっていたのはアーチ直下、天井付近の柵である。

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 16巻』

付近の柵は先の写真のようにアーチ直下に何も無いタイプが多かった。ただし、作中のような柵も無いわけではない。

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アーチ部分まで柵があるパターン

上の写真の奥に写っているのがアーチ部分まで柵があるパターンだ。これならナランチャを刺すことが可能となる。あと、この手の柵は後付されたものだから、5部が描かれた当時は存在したということも考えられる。

こうやって撮影していると、現場検証しているような気分になる。

レクイエムのルートその①

聖地巡礼することで得られるものに、舞台となった場所の「距離感」がある。実際に歩いたり交通機関を使ったりすることで、「こことあそこ意外に近いな」とか「あいつら歩きすぎじゃね」ということが「言葉」ではなく「心」で理解できるのだ。

レクイエムのルートはまさにその典型例である。レクイエムはコロッセオを出て、ティベレ川岸まで移動していった。原作にはレクイエムの移動ルートが描いてある。

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 17巻』

だがこのルートは途中までしか描いていない。レクイエムが到達したのは『サンタンジェロ橋』である。つまりここだ。

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 17巻』に追記

かなりの距離がある。実際にコロッセオから歩いてみた。

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レクイエムのルートを歩いてみた

この日の体温は朝晩ともに37.7℃。病人には少々つらい道のり。

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コロッセオから出たところ

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コツーン コツーン

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コツーン コツーン

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コツーン コツーン

ルート上に新たな聖地があったので立ち寄る*21

真実の口

「柱の男」が眠る地下への入り口である『真実の口』は、レクイエムのルート上にある。後でまた来るのも面倒なので立ち寄った。

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ジョジョ』オタクに共通する見分け方を発見した。

それは…ジョジョオタは真実の口に手を突っ込む時にだな…
手のひらを上に押し付ける。

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他の観光客は真実の口と記念撮影するために、手のひらを下に向けて突っ込んでいた。

レクイエムのルートその②

真実の口からティベレ川岸まではすぐである。

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ティベレ川岸に到達

ここでもう一度ゴールを確認しておきたい。ルートが描いてあるのはここまでだが、最終的に目指すのは『サンタンジェロ橋』である。

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 17巻』に追記

問題はどのようなルートで行くかである。俺は先に示した通り、ティベレ川沿いを歩いていった。目的地が『』で現在地は『川岸』なのだ。それが自然に思える。

しかし後で原作を読み返して気がついた。レクエイムは真正面から橋へ向かっている!

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 16巻』

俺のように川岸に沿って移動してきたのならば、上のコマだと左から来ることになる。つまりレクイエムは以下のようなルートを進んだと考えるべきだ。

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 17巻』に追記

川岸から離れるのはもう少し手前かもしれないが、少なくとも俺が歩いたルートよりも正解に近いのは確実である。「思い込む」ということは何よりも「恐ろしい」事だ………

サンタンジェロ橋

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最終決戦の場であるサンタンジェロ橋。厳密に言えば戦いは「橋の上」でなく「橋の手前」で行われたので、最終決戦が行われたのはこっちだ。

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サンタンジェロ橋前の交差点


ではサンタンジェロ橋そのものは聖地とならないかというと、それは違う。ジョルノの母親が『結婚式』を挙げているからである。

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 1巻』

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これがアニメでは、既に述べたようにサンタンジェロ橋から『卵城の橋』に変更されている。

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ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』第2話

ジョルノがネアポリスに住んでいることを考えると、これは良改変だと思う。

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橋にある5部っぽさのある彫像

ローリング・ストーンズ

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それっぽい。Prefettura di Roma, Ufficio Territoriale del Governoの前にあった。これがローマでなく、ネアポリスにあったのなら完璧だったのだが。

終わりに

何よりも『困難』で………
『幸運』なくしては帰れない道のりだった………
家に帰るという道のりがな……

海外一人旅を始めて8回目だが、最も過酷な旅であったのは間違いない。

空港で帰りの飛行機を待っている時、ツアーとおぼしき日本人の集団がいた。「すごく楽しかったね」とか「日本に帰ってからまた会えるかな」とか言って盛り上がっている。その脇で俺は咳に苦しみながら倒れており、本当に同じ国を旅行した人達なのだろうかと思っていた。

それでも俺はやりたいことをやり遂げたのだ。

砂漠の砂粒…ひとつほども後悔はしていない………
何ひとつ……
ただ…気がかり…なのは…
エメラルド海岸を取りこぼして来た事だけだ。

あと……
システィーナ礼拝堂ミケランジェロの壁画も見れなかった………

もう一度イタリアへ行きたい。

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 O.S.T Vol.1

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 O.S.T Vol.1

地図

イタリアにおけるジョジョの聖地を詰め込んである。

マイマップにコピーしておくと聖地巡礼する時に便利。

参考URL

今回の聖地巡礼をする上で役に立ったページ。

持っていって良かったもの

1つだけ選ぶなら、今回初めて使ってみたこれ。

今までは現地でSIMを購入していたけど、今回はこれを買って行った。イタリアだと3Gしか使えないけど、Google MapsSNSをする分には問題なかった。それよりも空港に到着してから使える利便性が素晴らしい。まあ次に行くときははeSIMで良さそうだけど。

ちなみに今回の旅行では3.2GB使った。

ジョジョ聖地巡礼記事

*1:最短計算で。

*2:90分以内なら市内交通への乗り換え可能

*3:原作では後述するように別の場所。

*4:設計最高速度は400 km/h

*5:辛かった一人◯◯ - 本しゃぶり

*6:カラー版で計算

*7:コロッセオで目を覚ました時ジョルノ (中身はナランチャ) の腕時計は「6日」を示していた。そこから逆算するとヴェネツィア戦は4/2となる。

*8:イタリアにはサマータイムがあるため、絶対的な日の出の時間は1時間20分早まるのだが、社会的には20分しか変わらないのだ。

*9:価格:7,200円(税込)

*10:教会の入場料は無料だが、塔に上がるのは有料。

*11:『懺悔室 (岸辺露伴は動かない) 』

*12:もちろんタクシーでも行けるが。

*13:ヴェネツィアからサルディニア島へのフライトは乗り継ぎがあると既に書いたが、実は航空会社が異なる。そのため荷物を預けてしまうと、乗り継ぎ時に回収し、再び預け直さなくてはいけない。それを回避したかった。

*14:正確にはチヴィタヴェッキア。

*15:商船三井フェリー | 客室(夕方便)

*16:と言いつつも『けものフレンズ』の聖地巡礼はした。

*17:ブチャラティv.s.セッコ市街戦移動図』に名前が載っているのに。

*18:Wikipediaによると、地元の人間からは景観を乱す存在として、独特の柱や階段の位置から「ウェンディングケーキ」「タイプライター」「入れ歯」といった蔑称で呼ばれていたらしい。

*19:合理的なものならば、他の地域にも作られるので名所とならない。

*20:おそらくチャリオッツによってぴょんぴょん跳ねながら移動したのだろう。チャリオッツは家具の後ろに落ちたものを拾うだけのスタンドではない。

*21:コロッセオからサンタンジェロ橋までの所要時間は、この立ち寄った分を除いて記録した。

2018年に読んだ本から5冊

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2018年に読み終えた本は95冊だった。
そこから印象に残っている5冊を紹介する。

21世紀の貨幣論

21世紀の貨幣論

21世紀の貨幣論

2017年から2018年の頭にかけて暗号通貨が盛り上がっていたので読んだ。暗号通貨の仕組みよりも、そもそも「お金」とは何かを知りたくて。本書ではこの疑問にこう答える。

通貨そのものはマネーではない。信用取引をして、通貨による決済をするシステムこそが、マネーなのである。

一般的に語られるお金の歴史では、初めに物々交換があり、そこから代用品としての貨幣が生まれたとされる。だがこれは間違っている。この通説は推論で導き出されたに過ぎず、何か明確な証拠があってのものではないのだ。

現実のマネーとは「債務を譲渡する」ところから始まっている。これを知り、理解できることが本書の価値だと俺は思う。金貨や銀貨といったハードではなく、社会制度というソフト。この本質さえ掴むことができれば、暗号通貨のような新たな媒介が登場しても、うろたえることは無いだろう。

われらはレギオン

全3巻のSF小説

オタクでプログラマーのボブは交通事故で死んだ。そして人工知能として蘇った。別に異世界転生したわけではない。脳を細胞以下のレベルまでスキャンされ、コンピュータ・プログラムとなったのである。ボブの役目は人類を救うこと。フォン・ノイマン探索機 (自己増殖する探索機) となって宇宙に旅立ち、人類が移住できる星を見つけるのだ。

この作品の素晴らしいとこは、ボブの前向きさにある。プログラムになってしまったことや自分のコピーを作ることにグダグダ悩まず、現状を前向きに捉えて行動していく。技術の力で問題を解決し、ボブが宇宙に広がっていく感じは、RTSなどのシミュレーションゲームに近い楽しさがある。その手のジャンルが好きな人におすすめ。

スノーボール

投資家ウォーレン・バフェットの伝記。これも全3巻なので長いが、一番面白いのは上巻なのでそれだけ読むというのも手。というのも、上巻は子供の頃から一端の投資家になるまでが対象となっており、その成り上がる過程を知れるからである。

さらに上巻はバフェットの畜生エピソードが特に多い。俺は畜生エピソードこそが伝記において重要だと考えている。武勇伝のように本人自ら宣伝するのではなく、できれば隠しておきたい話。それがあると「あの偉人が若い頃にはそんなことをしていたのか」と現在とのギャップで楽しめるのだ。

以上の「成り上がり」と「畜生エピソード」については、記事に書いたことがある。本を購入するか迷っている人は、まずこれを読むといい。

ダーウィン・エコノミー 自由、競争、公益

ダーウィン・エコノミー 自由、競争、公益

ダーウィン・エコノミー 自由、競争、公益

進化の仕組みは人間社会にも適用できるという本は何冊か読んできた。特にマット・リドレーの本とか。そのタイプの考え方も好きだが、本書『ダーウィン・エコノミー』それに「待った」をかける本である。全体の幸福度を高めるためには競争だけでなく「規制」が必要である、と。

一番わかりやすい例は、本書にもあった「アイスホッケーのヘルメット着用義務化」の問題である。選手はヘルメット着用が自由な場合、装着しないことを選ぶ。その方が視界が広く、音も聞こえやすくなるため、優位に立ちやすくなるからだ。怪我のリスクが増えるとしても。しかしそうすると全員がヘルメット着用しなくなるため、その優位性は消え、ただ全員にとって怪我のリスクが増えるだけになる。だから選手達はヘルメット着用義務化を制度に求めるのだ。

本書を読むと、上記のホッケー選手のような立場があちこちに存在することに気がつく。例えば就活。就職するためには絶対的ではなく、周囲に対して相対的に勝っていなければならない。だからこそ会社側が「私服でOK」と言っても、就活生達は周囲より下にならないようスーツ着用で挑むのである。これを解決できるのは『規制』しかない。自然に任せたままだとどうなるかは、コクホウジャクの尾羽根が教えてくれる。

Longtailed Widowbird, Euplectes progne in early summer breading plumage at Rietvlei Nature Reserve, Gauteng, South Africa (15482420928).jpg
By Derek Keats from Johannesburg, South Africa - Longtailed Widowbird, Euplectes progne in early summer breading plumage at Rietvlei Nature Reserve, Gauteng, South Africa, CC BY 2.0, Link

A:命を脅かすようになるまで止まらない*1

このように進化万能論に対抗する本ということで、俺にとって価値が高い。

HIGH OUTPUT MANAGEMENT

インテルの元CEOであるアンドリュー・グローブが在職中に書いた本。きっかけは『インテル 世界で最も重要な会社の産業史』を読んだことだった。

インテル 世界で最も重要な会社の産業史

インテル 世界で最も重要な会社の産業史

最初はグローブに対する好感度は低かったが、読んでいるうちに彼こそが主人公に見えてくる。そしてグローブがいろいろと本を書いていたことを知ると、それを読みたくなるのは当然の成り行きだった。複数ある著書の中から本書を選んだのは、既に購入済みだったからである。たぶん何かのセールで買ったのだと思う。

少し古い本だし、著者があのグローブということで身構えていたが、スラスラ読めるほどわかりやすい。製造業を運営する上で基本的なことが中学生でもわかるように書いてある。名著と言われるのも当然で、新入社員研修で読ませるべきでないかと思う。マネージャーではなくても役に立つはずだ。

本書によれば、マネージャーの仕事は突き詰めると「部下のモチベーションを上げること」と「部下を教育すること」だという。なぜなら部下が仕事をできない場合、その理由は「やる気が無い」か「能力が無い」からだ。このような主張を読んで「なるほど」と思って記憶をたどり始める。この手の優れたマネージャー向けの本を読むと、自分の上司はどうなのかと考えてしまう。読んで欲しい。

終わりに

今年は100冊いかなかった。理由は分かっている。これのせいだ。

10月から11月にかけては準備を優先し、行ってからは体調を崩して本を読む気にならなかった。読書するにも健康であることが求められる。

ただそれでも「これだけ読めた」と言うべきだろう。ブクログの読書グラフを見ると、9月まではそれなりに安定して数を読めている事がわかる*2

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2018年の読書グラフ

これは間違いなくKindle読み上げのおかげだ。

本によって向き不向きがあるとはいえ、便利なのでこれからも続けていく。

他に読んだ本

2017年のおすすめ

*1:この暴走進化説の説明については、この記事で書いている。 https://honeshabri.hatenablog.com/entry/selfish_horn

*2:俺にとって。

自覚する無知は救われるが、知っていると思いこむ事は恐ろしい恐ろしい

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自分が「無知」であることを知っているならば不安になる必要は無い。
探求する原動力となるからだ。

本当に恐れるべきは「思い込み」である。

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Jacques-Louis David [Public domain], via Wikimedia Commons

知らないことは調べられる

旅を始めるための記事を『わたしのネット』に寄稿した。

タイトルに「聖地巡礼」とあるが、旅行全般に当てはまる話である。対象としては「海外一人旅に興味はあるが、自分には能力的に無理だと思っている人」がメインだ。この手の記事は以前にもブログで書いたことがある。

これまでは具体的な対応策を書いていた。英語ができなくてもこうすれば対応できるのだ、と。

だが、聖地巡礼記事への反応や周囲の話を聞いているうちに、「できるわけがない」と思っている人達の問題点は、語学力の不足ではなく、もっと根本的なところだと思い始めた。それは「できる方法を探さない」ということである。自分にはできないと思ったら…… そこで諦めて終わるのだ。

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John William Godward [Public domain], Link

だが世の中には意外と解決策がある。特に多くの人が困っていることならば、なおさらだ。従ってやるべきことは「検索」である。そうすれば答えが見つかり、取るべき行動が明確になる。後は覚悟を決めるだけだ。

ざっくりまとめると、以上のような内容の記事を寄稿した。人は「未知のもの」を恐れる生き物だ。だが自分が「知らない」と知っているならば救いはある。調べることで真実にたどり着けるからだ。本当に恐ろしいのは「思い込み」である。

思い込みが恐ろしい

なぜ「思い込む」という事は何よりも「恐ろしい」事なのか。それは自らの誤りに気が付かないからである。知らないと自覚しているならば、調べるから結果として正しい答えを知ることになる。だが、知っていると思い込んでいる場合、その知識が正しいか調べることはない。

そのため、自分のミスに気がつく時は既に手遅れだ。誤った方向へ進み続け、知識と現実との差異が発覚して破滅。この時のダメージの大きさは、誤って進んだ距離に比例する

上で紹介した寄稿記事では、俺のイタリア旅行を例にしながら説明をした。なので今回もイタリア旅行のエピソードを例に説明する。あれは最終日にローマから空港へ向う時だった。

ローマからの脱出

無事に聖地巡礼を終えた*1翌朝、俺は中央駅であるテルミニ駅にやって来た。ここから電車に乗ってフィムミチーノ空港へ向う。

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テルミニ駅

テルミニ駅には前日に訪れたばかりなので、迷うことは無い。切符を購入するために、俺はまっすぐ券売機へと歩いていった。

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券売機コーナー

表示は英語でも、俺は慣れた操作で入力していく。イタリア初日は不安でオドオドしていたが今は違う。この時の俺は、まるで「10日」も修羅場をくぐり抜けてきたような、スゴ味と冷静さを感じさせる目をしていた。

画面には空港行きの電車が複数表示されていたが、俺は悩まなかった。過去の経験から指定席ではないことを知っている。適当に近い時間の電車を選択しておけばいい。こうして俺は8ユーロ支払って切符を手に入れた。

"Fiumicino Aeroporto"の案内に従ってホームにたどり着く。イタリアの駅としては珍しく改札があったが、俺の切符でゲートは開く。当然だ。そして電車に乗り込んだ。

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空港行きの電車

電車が走り出してしばらくしたころ、検札のために車掌がやってきた。俺が切符を差し出すと、表情が変わり何か言い始めた。どうやら切符が間違っているらしい。

路線は『2つ』あった

空港とローマ市内を結ぶ路線は2つある。1つは空港とテルミニ駅を結ぶ『Leonardo Express』である。全車1等でノンストップで突っ走る路線だ。料金は高めの14ユーロ。もう1つは郊外にあるティブルティーナ駅から*2複数の駅を経由して空港へ向う『FR1線』である。こちらは安い8ユーロ

つまり俺は『FR1線』の切符を購入し『Leonardo Express』に乗ったというわけである。なんでテルミニ駅に止まらない電車の切符が買えるんだよクソが。

このミスは事前に確認しておけば簡単に防げた。俺は『地球の歩き方』を持っていたし、テルミニ駅から空港への行き方を解説した記事をEvernoteに入れていた。どちらにも路線と料金のことは書いてある。しかし俺はイタリアに来てから確認していなかった。自分は電車の乗り方を「分かっている」と思い込んでいたからである。

失われた8ユーロ

当然ながら車掌は自分の仕事を遂行するだけである。彼の眼の前にいる男は切符を持っていない。そこで料金を支払うように言った。

車掌「料金を支払ってもらう。14ユーロだ」
俺「40ユーロ!?」

この聞き間違いは英語の数え方がクソだからというだけではない。俺はこの時、キセル乗車に対する罰金のことで頭がいっぱいだったからである。

イタリアを始めヨーロッパの多くでは改札が無いことが多い。切符を持っていなくても自由にホームまで入れるのだ*3。そして車内改札が必ず行われるわけでもない。最初から最後まで改札無しという事はよくあることである。

そうすると「キセル乗車し放題じゃあないか」と考える人もいるだろうが、やめるべきだ。バレた時のリスクが大きい*4。車内改札はランダムに行われ、もしキセル乗車であることが発覚すると、数十ユーロの罰金を支払わなくてはいけない。たとえ正規の切符を持っていたとしても、検札機で打刻を忘れていたらアウト。取り立ては旅行者に対してだろうと容赦なく行われる。

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これで打刻を忘れるとヤバい / Piergiuliano Chesi CC BY 3.0, Link

従って俺が "Fourteen"を "Forty"と聞き間違えたのも無理はない。悪気が無かったとはいえ、俺は完全にキセル乗車状態である。数十ユーロの罰金を支払わなくてはいけないと思い込んでいた。

幸い俺が支払ったのは正規の切符料金である14ユーロだけである。だが間違って購入した切符の8ユーロは完全に無駄となった。これは思い込みによって失った。もし俺が「無知」であることを自覚していたら、こんなことにはならなかっただろう。

終わりに

以上のように「思い込み」とはかくも恐ろしい事なのである。人は知っていると思い込む事によって探求することをやめてしまう。そして「無知」のまま進むことで、手痛い失敗をするのである。

これは何も個人に限った話ではない。人類の歴史においても言えることである。近代以前まで科学の発展は遅く、時には停滞していた。これは、世界の重要な知識は全て聖典や伝承の中にあるのだと、人々が思い込んでいたからである。価値のあることは全てを知っているとなれば、なぜそれ以上探求する必要があるのか。

だが科学革命によって思い込みから解放されると、人類は猛烈な勢いで探求を始めた。自分たちが世界について知らないと気がついたからである。最も偉大な科学的発見は、無知の発見だったのだ。

このようなことが『ホモ・デウス』に書いてあった。人類全体ですらこうなのだから、俺が思い込みで失敗するのは仕方がないと言えるだろう。これが人間世界の現実というやつである。

あらためて寄稿記事の宣伝

*1:けものフレンズ聖地巡礼『すいどうきょう』 - 本しゃぶり

*2:正確にはファラ・サビーナ発であり、ティブルティーナ駅も停車駅の1つ。

*3:だからプロシュート兄貴は切符を買わずにブチャラティを追うことができたのである。

*4:それ以前の問題として犯罪であるし。

俺が一番真剣にプレイしてるゲームはamazonのタイムセール

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今あなたが一番真剣にプレイしているゲームはなんだろうか。
俺はamazonのタイムセールである。

買うまでが本編

Steamはゲームを買うゲーム」という言葉がある。

本来はゲームをプレイするためにゲームを購入する。つまり購入はあくまでも「手段」にすぎない。しかしSteamでゲームを購入する人達の中には、購入が「目的」となっている人がいる。彼らにとって重要なのは、セールの時に「いかに安く購入できるか」であり、値引き額がスコアとなる。購入したゲームをプレイするのは、やりこみ要素程度にしか思っていない。

知らない人にとっては嘘みたいに思えるかもしれないが、この「ゲームを買うゲーム」というのはゲーム化されているくらいには、Steamユーザの中で常識となっている。

このことからも、「ゲームを買うゲーム」がいかに中毒性の高いゲームであるか理解できただろう。以降ではこのようなゲームを『セールゲーム』と呼ぶことにする。毎回「ゲームを買うゲーム」と書くのはだるい。

セールゲームの定石

俺は理性的な人間なので、Steamでセールゲームはプレイしていない。しかし、Kindleなら話は別だ。

俺はKindle本を定価で購入することが少ない。Kindle本は頻繁にセールをするので、急ぎでなければセールを待った方が合理的だ。そして俺は合理的な人間である。だから気になった本がKindleならば、ほしいものリストに入れて放置する。そして15%以上のセールで買う*1。最近はセールでこの本を買った。

ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか

ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか

先延ばししたほうが安くなるからに決まっている。

セールゲームをプレイしていない人からすると、セールになるまで購入できないのは不便に思えるかもしれない。しかし、実際はそうでもない。他のゲームと同様に、セールゲームもプレイするほど簡単になっていく。

俺が2018年に購入したKindle本は151冊である*2。対して2018年に読み終えたKindle本は81冊。つまり購入ペースの方が速いため、読んでいない本は増える一方である。なので慌てて購入する必要はない。セールになるまで、ゆっくり本を読みながら待っていればいいのだ。

だがこのプレイ方法は、同じジャンルでプレイし続けている場合にのみ有効な方法だ。もしセールを待っているものが初めて購入するものだったら? これが難しい。

セールゲームは今これをやっているよ

今の狙いはこれ。

Jabraの完全ワイヤレスイヤホンである。

俺は今まで完全ワイヤレスイヤホンを買うくらいなら、ネックバンド型の方がいいと思っていた。バッテリーの持ちがいいし、買い物する時など一時的に外しても首からぶら下げていられるからだ。なので2018年の5月にBeatsXを購入して、しばらく満足していた。

不満を感じるようになったのは冬になってからである。マフラーをするようになると、コードが邪魔で仕方ない。もう少しなんとかならないかと思い続け、年が明けて我慢の限界に達した。今からでも完全ワイヤレスイヤホンを買おう、と。

そして色々調べた結果、バッテリー持続時間、接続性、防滴、外音取り込み機能といった観点からJabra Elite Active 65tが俺にとって最適と判断したのである。次点で下位機種のJabra Elite 65tである。

Activeとの差は以下である。

違う点Jabra Elite Active 65tJabra Elite 65t
価格*324,183円22,480円
防塵防水IP55IP56
モーションセンサー機能あり無し
カラーCopper Blue / Copper Red / Titanium BlackCopper Black / Gold Beige / Titanium Black

俺としてはモーションセンサー機能はどうでもいいし、防水性もそれほど求めてはいない。なので無印の方でも全く構わない。値段が同じならActiveを選ぶ程度の話だ。定価も実売価格もActiveの方が2000円程度高いのだが、amazon価格トラッキングサービス「Keepa」で価格の推移を見てみると、セール時の価格はどちらもほとんど変わらない。だからActiveの優先順位が高いというわけだ。

さて、以上の方針を決めたのが2019年1月13日のことであった。過去の価格を見ると、無印のCopper BlackとGold Beigeはタイムセールに登場する頻度が多い。

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Jabra Elite 65t Copper Blackの価格推移

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Jabra Elite 65t Gold Beigeの価格推移

なおCopper Blackは俺が方針を決めた前日である2019年1月12日にもタイムセールをしている。人はだいたいタイミングを逃すものである。しかし悲観に暮れる必要はない。レオナルド・ダ・ヴィンチは「幸運の女神は前髪しかない」と言ったらしいが、本当に前髪だけなのは時の神カイロスである。

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Sailko CC BY 3.0, from Wikimedia Commons

対して運命の車輪を司る幸運の女神フォルトゥーナには髪の毛がたっぷりある。

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Guido Reni [Public domain] Link

従って、走り去った幸運の女神を追跡し、捕まえるということは決して不可能ではない。

このように。

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2019/1/26のタイムセールのお知らせ

こうして土曜の朝、俺はタイムセール開催と同時にamazonを開いた。

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タイムセール祭りはここから

ここでActiveの価格推移を見てもらいたい。

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Jabra Elite Active 65t Copper Redの価格推移

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Jabra Elite Active 65t Titanium Blackの価格推移

赤丸で示されたタイムセールとは別に、大きく価格線が落ちている期間が2回あるのが分かるだろう。これはサイバーマンデーと初売りセールのタイミングだ。Activeはタイムセールとは別に、amazonの祭りで下落する傾向にある。その時の値段はタイムセールの無印よりも低い

セールゲームは値引き額がスコアである。タイムセールは今週末。たった1週間待つだけでスコアは倍になる。俺はマシュマロテストをクリアできるタイプだ。無印のセールは見送り、Activeが値下がりする方に賭けることにした。

終わりに

猿にボタンを押すとエサが出てくる装置を渡す。ボタンを押すと必ずエサが出てくる場合、猿は空腹時にしかボタンを押さない。食べたい時に押せばいいだけだからだ。しかしボタンを押した場合にエサが出る時と出ない時がある、つまりランダムでエサが出る装置を猿に渡したらどうなるか。猿は一日中ボタンを連打する。

セールゲームが面白いのは、欲しいものがセールになるか分からないという不確実性にあると考える。しかも価格が下るという報酬もあるのだから、ハマるに決まっているのだ。まだセールゲームをやったことの無い人は一度やってみるといい。

ミニスロットマシーン

ミニスロットマシーン

購入方法の記事

*1:7%の程度の値下がりは定価が下がっただけなので、慌てずに待つ。

*2:全てセール時に購入したわけではない。

*3:2019/01/27確認 amazonの実売価格。


Surface GoはタブレットのフリをしたPCだけど俺にとっては携帯ゲーム機

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Surface Goを買った。
これでブログを書く練習を兼ねて雑感を記録しておく。

買ったもの

高い方の本体と安い方のキーボード

  • ペンはとりあえず無くてもいいかと思っている
  • 買うならたぶんサードパーティ製の安いやつ
  • 右クリック機能は欲しい

前提

買った理由

  • 海外旅行に毎回MacBook Proを持っていくのはさすがに辛いと思った
  • iPad Proも考えたが、フォルダ管理できないのが腹立たしい
  • タブレットは大きい図体をしていても、できることがスマホとほとんど変わらないのが良くない
  • だったらSurface Goがちょうどいいのでは
  • 10インチサイズのタブレット持っていないし
  • まともなOfficeが使える端末が1つぐらいあってもいい*1
  • PayPayの時に買おうかと思ったが、実店舗に行くの面倒でやめた
  • その後に何度か値引きを見たが、PayPayに比べると値引き額がなぁ……
  • ビックカメラで本体20%オフの期間限定セールをやったので買った
  • キーボードは安くならなかったけど気にしない

触った感じ

  • こいつ「私はタブレット」みたいな面構えしているけど完全にPC
  • ソフトが基本的にPC用にデザインされているから、UIが指で操作するのに向いていない
  • だからトラックパッドを使うのが基本だし、できればマウスかトラックボールが欲しい
  • 文字を入力するのも物理キーボードが必須
  • この状態で入力するの辛いだろ

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なんでキーボードが上に被さるのか

  • なのでSurface Goを使うときは机が必要
  • こんな感じに使おうと考えているならば、Surfaceシリーズを選ぶべきではない

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matt buchanan CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

  • とはいえ完全にPCというのは悪い点ばかりでもない
  • ウェブブラウザとしてVivaldiが使えるのは偉い
  • PCなので当然だが
  • 俺がMacで使っているソフトはほとんどWindows版もあるので、環境はかなり再現できる
  • とはいえAlfredが無いのはつらい
  • 純正のタイプカバーはペコペコ感があるけれど、それなりに使える
  • 俺はorz配列の親指シフトを使っているので、『変換』が『K』の真下にあるのは嬉しい

ゲーム機としてのSurface Go

  • 買ったはいいが、直近に旅行へ行く予定はない
  • せっかくのWindowsなので学生時代にやっていたゲームを突っ込むことにした
  • それでこれ
  • 久しぶりだけど『超上級』をクリアできた
  • 難易度を『マニア』にしたら横スクロールバーが見えなくて困る

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画面からはみ出ている

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これで横にスクロールできる

  • 次は懐かしのAOCを入れた

  • 普通にプレイできた
  • アップデートにより俺の力作であるカスタムシナリオがことごとく文字化けしていて泣く

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日本語タイトルが表示されない

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壊滅状態のシナリオトリガ

  • あとOculus Go用にXbox Oneのコントローラーを買っていたので、これでゲームが捗りそう

終わりに

  • ゲームをやっているとブログを書く時間が減る
  • ブログの更新から俺がSurface Goを使っているかが分かりそう

タブレットみたいなやつの記事

*1:Office for Macは持っているが、マクロが使えないとか不便な点がいろいろある。

イエス・キリストのQCサークル活動報告

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イエス・キリストはなぜ磔刑になったのか。
それは彼がQC活動を行っていたからである。

QCストーリーで聖書を読み解く。

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Richard.Penderyn CC BY-SA 4.0, from Wikimedia Commons

カイゼンの効果に期待する

日本人はイエス・キリストの存在は知っている。しかし、彼がどのような人物であったかを理解している人は少ない。しかもネットで調べると、スピリチュアルな記事や、怪しげな記事が多く引っかかる。

死刑となったイエスの家族構成に迫る!事件の背後には生い立ちが関係か?

中には真面目な記事もあるが、やはり分かりにくいように思える。それはイエスを理解するのに聖書が必須であり、日本人はその聖書が身近な存在ではないからだろう。

では日本人にとって分かりやすいフォーマットは何か。それはカイゼン、すなわちQCサークルである。

QCサークル(キューシーサークル)は、同じ職場内で品質管理活動を自発的に小グループで行う活動である。全社的品質管理活動の一環として自己啓発、相互啓発を行い、QC手法を活用して職場の管理、改善を継続的に全員参加で行うものである(TQC用語辞典に基づく解説)。
QCサークル - Wikipedia 2019/02/11 21:04 閲覧

落ちぶれても物作り大国日本である。QCストーリーに沿って語れば、イエス・キリストの行動原理が分かる人は多いだろう。というわけで作ってみた。

QC資料

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それでは、「律法の削減と人類救済」と題しまして、ナザレ・サークルの発表を始めたいと思います。


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まずはサークル紹介です。

私達のナザレ・サークルは13人の小さなグループから始まりました。
メンバーは大工や漁師など、一般庶民で構成されています。
活動の中心は元々ガリラヤでしたが、最近はエルサレムを中心に活動しています。

新規メンバーを募集中です。
未亡人の生活支援など、相互扶助制度もありますので、気になった方はお気軽にお尋ねください。


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テーマ選定です。

人々を救うため何をすればいいか、重要度や緊急性など、様々な観点からマトリックス図を使って分析しました。
その結果、「律法の見直し」をすることにしました。


f:id:honeshabri:20190211202543p:plain現状の把握です。

現在、律法は全部で613あります。
パレート図で分析した結果、そのうちの70%レビ記申命記に記されていることが分かりました。
とはいえ、この2つを丸ごと無視したとしても、まだ律法は100以上あります。

そして数ある律法の内どれか1つでも破ってしまうと、裁きによって死ぬ危険性があります。
抜本的な対策が必要です。


f:id:honeshabri:20190211202742p:plain目標の設定です。

目標は定量であることが望ましいので、律法の数を10以下にすることにしました。
この数ならば覚えておけるので、うっかり破ってしまうことが減るはずです。

期限は「終末まで」と設定しました。


f:id:honeshabri:20190211202834p:plain活動計画です。

できる限りメンバー全員が活躍するようにします。
「テーマ選定」と「現状の把握」に時間がかかってしまいましたが、最終的には予定通り行きました。
終末は近いので危なかったです。


f:id:honeshabri:20190211202921p:plain原因分析です。

問題を解決するために、何が原因であるのか調べる時には「特性要因図」を使います。
この図は魚の骨みたいに見えることから、「フィッシュボーン」とも呼ばれます。

f:id:honeshabri:20190211203022p:plain

律法の数を減らすために、なぜ律法は増えたのかを分析しました。
その結果、次の3点がポイントであるという結論になりました。

1つ目は「あるべき姿」です。
律法は行為を禁ずるだけでなく、人はこうあるべきだという指針でもあります。
そのため、単純に律法を減らしてしまうと、人々はどのように行動すればいいか分からなくなってしまいます。

2つ目は「個別に作成」です。
律法は具体的なシチュエーションに対して、どう振る舞うべきかという内容になっています。
これだとシチュエーションの数だけ律法が増えてしまうのです。
また、本来取るべき行動は時と場合によって変わります。
具体的にしすぎると、柔軟な対応が取れなくなるというのも問題です。

3つ目は「原罪」です。
人には原罪があるため、神に対して負い目があります。
だから律法を破ることは許されないのです。


f:id:honeshabri:20190211203125p:plain対策立案です。

「あるべき姿」と「個別に作成」という問題に対しては、「包括的な方針」を作成することで対処することにしました。
次に「原罪」ですが、これは「贖罪」によって解決します。
詳細は以降のスライドで説明します。


f:id:honeshabri:20190211203215p:plain包括的な方針についてです。
律法を以下の2点に集約します。

  1. 心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。
  2. 隣人を自分のように愛しなさい。

以上の2点を意識して行動すれば、律法を守っていることにします。
これならばどのような行動をとり、何をすべきではないか、個別に規定する必要はありません。
新しい状況に置かれても対応することが可能です。


f:id:honeshabri:20190211203410p:plain次は贖罪についてです。

これまで私達は罪を犯してしまった時、許しをもらうために生贄を捧げてきました。
羊で罪を1つ帳消しにできるということは、はるかに価値のあるものを生贄にすれば、罪を根本から許してもらえることになります。
そこで我々は「最も価値のある犠牲」を用意しました。

私達のリーダーです。
f:id:honeshabri:20190211203456p:plain彼は『神の子』なので、最も価値ある存在と言えます。
さらに生贄の捧げ方も、十字架に磔にするという、最も苦痛を感じられる方法です。
これで原罪を全て償うことに成功しました。

ちなみにリーダーは生贄になってから3日後に復活しましたので安心してください。
神の子』なので。


f:id:honeshabri:20190211203623p:plain効果の確認です。

今回の改善で、律法を約99.7%削減することに成功しました。
しかもこれで罪の意識を感じることはありません。
目標達成です。


f:id:honeshabri:20190211203708p:plain水平展開です。

教えを広めるために、使徒を各地へ派遣しています。
やはり現場で直接教えるのが一番です。
まずはローマの東側である小アジアギリシアから広めていきます。

ゆくゆくはローマ全域に教えを広げるつもりです。
そうすることで全人類を救済することができます。


f:id:honeshabri:20190211203804p:plain標準化です。

口頭による説明だけでは、伝えられていくうちに内容が変わってしまいます。
なので重要な教えは文章にして残します
手紙を各地へ送る時は複製を用意し、エフェソ教会で保管しておきます。

将来的にはこれらをまとめ、編纂し、新しい聖典となる予定です。


f:id:honeshabri:20190211203946p:plainご清聴ありがとうございました


終わりに

最初に言っておくが、「ご清聴ありがとうございました」は「いかがでしたか?」と同等のクソな終わらせ方だと思っている。しかしこの手のネタはフォーマットを忠実に再現することが肝心なのだ。そこを理解してもらいたい。

さて、この記事に書かれたイエス・キリスト像について語る前に、QCサークルについて確認しておきたい。QCサークルについて最も本質的と言われているのはニコニコ大百科の記事である。QCサークルの経験が無い人はまず一読を勧める。

QCサークルの経験がある人は、自身の記憶を掘り起こしてもらいたい。はたして発表内容は、実際の活動そのものだっただろうか。おそらく違うと予想する。書かれていたのは嘘ではなかったとしても、真実でもなかったはずだ。

以上のことを踏まえた上で、この記事は読んでもらいたい。後から都合がいい形となるように、点と点を線で結んでいるだけなのだ。

というわけで、ここに書かれているイエス・キリストパウロの考えをベースにしつつ、非常に単純化して書いている。読んだら分かった気になる感じに。

参考書籍

パウロ 十字架の使徒 (岩波新書)

パウロ 十字架の使徒 (岩波新書)

似たような記事

『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』19話の登りゆく朝日に『スゴ味』を感じる

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登りゆく朝日には『スゴ味』がある。
アニメスタッフの覚悟が伝わってきたので解説しよう。

この拘りに敬意を払え。

f:id:honeshabri:20190216220141j:plain
ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』19話

ヴェネツィアでの聖地巡礼にて

俺は2018年11月に聖地巡礼でイタリアへ行った。

当然ヴェネツィアにも訪れ、サンタルチア駅で朝日を見た。このことについては上の記事で以下のように書いた。

f:id:honeshabri:20181116081055j:plain
登りゆく朝日

ミスタ…
あなたの『覚悟』は…
この登りゆく朝日よりも明るい輝きで…… ちょっと待て

朝日の上がる『位置』が違う。

f:id:honeshabri:20181202191302j:plain
ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 9巻』

これは時期の違いによるものじゃあない。4月ならもっと北寄り (写真左寄り)になるはずだからだ。なので作中の朝日は完全にフィクションだと言える。

「それくらい別にいいじゃあないか」と言われそうだが、このために俺は朝日を撮りそこねるところだった。俺は上記コマのギアッチョの位置で朝日を待ち構えていた。そうするとサン・シメオン・ピッコロの影になるため朝日が見えないのだ。

f:id:honeshabri:20181202193025j:plain

影の中にいて「朝日がなかなか出ないけど、なんか隣が妙に明るいな」と思って移動したら「既に朝日は登っていたッ!」というわけである。危ないところだった。マンガを信じるのは程々にしたほうが良い。

現地へ行ったことで、原作の朝日は現実と異なることが分かった。それをアニメではどうするのか。俺はこれが気になっていたのだ。

アニメの朝日の方角

ついに19話で答えが出た。再び朝日のシーンを貼っておこう。

f:id:honeshabri:20190216220141j:plain
ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』19話

朝日の「方角」が原作と違う!

原作ではギアッチョから見てサン・シメオン・ピッコロの「右側」から朝日が登っていたが、アニメでは「左側」となる『スカルツィ橋』の方角となっている。

分かりやすいように『原作』『アニメ』『俺の写真』そして『現実』について、朝日の方角をまとめた。

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『日の出日の入り時刻方角マップ』(https://hinode.pics/lang/ja/maps/sun)に追記

ジョルノとミスタがギアッチョを倒したのは4/2の出来事*1なので、朝日は真東よりわずかに北よりの方角から登る。アニメの方角は現実に近いのだ。

アニメなのだから必ずしも現実通りである必要はない*2。だから原作と同じ方向から朝日を登らせても良かったはずだ。だがアニメスタッフはそうしなかった。あえて現実と同じ方向に変更したのである。

終わりに

ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』製作にあたってロケハンが行われている。そして聖地巡礼をしやすいように、風景は現代のものになっており、聖地を特定しやすい作りとなっている。このことについては以前に別の記事で述べた。

だが、まさか原作にあるシーンすらも、現実に合わせてくるとは感心するしかない。すでにジョルノの母親の結婚式の場所を『サンタンジェロ橋』から『卵城』に変更したという前例があるとはいえ、朝日の方向という細かい点まで見直し、変更してくるとは。この拘りに敬意を表すると共に、以降の展開にも期待するしかない。

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 O.S.T Vol.1

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 O.S.T Vol.1

イタリア聖地巡礼記事

最初にも貼ったがもう一度。

行った場所はヴェネツィアだけではない。他にナポリカプリ島ポンペイ、そしてまだアニメに登場していない場所にも行っている。もしイタリアへ聖地巡礼に行こうと考えているのであれば、参考になるはずだ。

*1:最終日がジョルノの腕時計の日付から4/6と分かるので、そこから逆算して求められる。

*2:実際、ネアポリス中央駅については原作と同様にミラノ中央駅をモデルにしている。

元祖バカッター、エルサレムで尻を出す

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新しいバカッターが話題になると、古いバカッターが掘り起こされる。
そこで俺も過去のバカッターを探してみようと思い立った。

たどり着いた先は、紀元1世紀のエルサレム

f:id:honeshabri:20190223191332j:plain
User:Mattes [Public domain],Link

バカッターは昔から

ちょっと前にまたバカッターの記事を見た。最近の投稿先はInstagramでありTwitterは拡散経路に過ぎないのだが、わかりやすいからか全て「バカッター」と呼ばれている。「ソニーのiPhone」みたいなものだろう。

一口に「バカッター」と言っても、いくつかのパターンに分けられる。中でも繰り返し起き、社会的な影響が強いのは、従業員が業務中に行う悪ふざけだ。いわゆる「バイトテロ」である。俺が見た記事もそれだった。今では バカッター≒バイトテロと言えるだろう。

相次ぐバイトテロ問題「バカッター」による炎上案件は昔から? - ライブドアニュース

ところでネットの反応を見ていると、「バカッターの行動そのものは昔からあり、それがSNSの発達によって可視化されただけ」というのがある。自分の若い頃にも、業務中に悪ふざけを行っていた人はいた、と。

それはきっと真実だ。しかし、これはここ数十年の日本に限った話ではない。バカな行為をして騒ぎを起こす奴は、はるか昔から存在した。今回紹介する話は約2000年前にまで遡る。それは、爽やかな春の日のことだった。

ローマ兵、尻を出す

一人のローマ兵が集まっているユダヤ人達を見下ろしていた。彼が立っている場所はエルサレム神殿の柱廊の上である。彼は警備の任務でそこにいた。

f:id:honeshabri:20190223184317j:plain
FOTLbill [Public domain],Link

この日は種入れぬパンの祭の日である。エジプトで奴隷であったユダヤ人達が、モーセに導かれてパレスチナの地へ脱出し、自由と独立を勝ち取ったことを祝う日だ。そのため、各地からユダヤ人がここエルサレムに集まってくる。ユダヤ人が集まれば騒ぎになる危険性がある。ローマ兵たちはそれを警戒していた。


暇だ……

警備の任務と言えば聞こえはいいが、やっていることは突っ立って見下ろしているだけ。そのまま時間が過ぎるのを待ち続けるしかない。

退屈は人に創造性を与える。ローマ兵はふと思った。

(ここで尻を出したら面白いのでは)

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Roland zh CC BY-SA 3.0,Link

そこで彼は服を捲り上げると、群衆の方へ尻を突き出し、卑猥な声を発した。

ユダヤ人は激怒した。

怒れる群衆

バカッター行為を見つけると、人々は怒りに燃えるものである。だがこの時の群衆の怒りは、現代のそれと比較にならない。ローマ兵の処罰を要求するために神殿へと詰めかけ、血気盛んな若者たちは石を兵士たちに向かって投げ始めた。

当時のユダヤ人の心情を理解するためには、時代背景を知っておく必要がある。この事件が起きたのは西暦48年から52年の間、4代目ローマ皇帝クラウディウスの時代である。

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Louvre Museum [Public domain],Link

ユダヤはローマの属州だった。この頃はアグリッパ2世がユダヤ王として自治ローマ皇帝から認められていたが、ローマからも長官が派遣されていた。そしてユダヤにはローマに対する貢納金が義務付けられていたのだから、この土地は神のものではなく、ローマのものと言っていい。これは歴代長官の振る舞いからも見て取れる。

例えば最も有名な長官であるポンテオ・ピラト*1は、「皇帝ティベリウスに捧げられた金ピカなローマの盾のセット」をエルサレム神殿に設置した。これはローマの神々を代表する奉納品である。それをユダヤの神殿に置いたのだから、神を侮辱していることに他ならない。さらにピラトは、水道橋を再建するための財源として、神殿の財産を持ち出した。当然ユダヤ人からは抗議があったが、ピラトは軍を出して抗議者たちを虐殺した。

そのためユダヤ人の間には、反ローマの感情が渦巻いていた。そんな状況でバカッターは行われたのだ。今日は独立を祝う日だというのに、聖なる神殿の上で尻を出されるという屈辱。ユダヤ人たちからしてみれば、お前らは今も奴隷同然だと言われたに等しい。

怒りに燃えたユダヤ人たちは、ローマからの総督ウェンティディウス・クマヌスに詰め寄った。あのバカ兵士を処罰せよ、と。

メシアの時代

クマヌスは恐怖した。責任者である自分に対し、怒れる群衆が襲いかかって来るように思えたからだ。クマヌスを臆病者と嘲ることは簡単である。しかしクマヌスがこう思うのも無理はない。ユダヤではここ数十年というもの、多くのメシアを名乗る者が現れては、民衆を扇動していたからである。

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Ib Rasmussen [Public domain],Link

「メシア」というとナザレのイエスが有名だが、活動していたのは彼だけではない。

エスが生まれた頃である紀元前4年にはガリラヤのユダが「唯一の神以外には絶対に仕えない」と言って、ローマの設備とローマに忠誠を誓っているユダヤ人貴族を襲撃していた。

エスが死んだ後の紀元44年にはテウダという預言者がメシアを名乗っていた。彼は数百人の信者と共にヨルダン川へ行くと、モーセのようにこの川を真っ二つにすると宣言した。これが「約束の地」をローマから奪回する第一歩であると主張して。

他にも多くのメシアが存在した。当然メシアたちはことごとく処刑されたが、ユダヤ人たちの革命熱は盛り上がる一方だった 。

このような時代に、クマヌスは総督としてユダヤにいた。今この場で新たなメシアを名乗る者が現れ、打倒ローマの第一歩として自分の首を狙ってもおかしくはない

クマヌスは兵団に命じた。

ユダヤ人の反乱を鎮圧せよ

虐殺

f:id:honeshabri:20190224204739j:plain
Nicolas Poussin [Public domain],Link

祭の場は一転して狂乱に包まれた。ローマ兵団は平和を維持するための抑止力である。武力の行使を最小限に抑えるように努められているが、一度剣を抜いたのならば徹底的に叩きのめす。そこに慈悲は無い。群衆はめった切りにされた。

虐殺から逃れるために群衆は神殿の出口へと殺到する。出口の近辺では激しい押し合いとなり、同胞に踏み潰される人が続出した。

この事件を記録したフラウィウス・ヨセフスによれば、この騒動で3万人以上が亡くなったという*2。一人のバカな行いによって、これだけの犠牲が出たのだ。

終わりに

はるか昔からバカッターは存在した。SNSが無くとも業務中に愚かな行為は行われ、それが騒動を引き起こした。歴史は繰り返すのである。

なぜバカッターが生まれるのかと考えると、すでに指摘されているように、その理由の1つは「暇だから」だろう。モチベーション研究の第一人者であるカナダ・カルガリー大学ビジネススクール教授のピアーズ・スティールは著書でこう述べている。

多くの学生が「最低の仕事」だと考えるのは、肉体的に過酷な仕事ではない。最低なのは、うんざりするくらい退屈な仕事だ。
ピアーズ・スティール. 『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』

ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか

ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか

SNSに投稿させない仕組みを作るというのも大事だが、暇を有効活用できるようにするべきなのだろう。ギリシャ語で「余暇」を意味する単語 "schore"は、その後「学校」意味する "school"になった。結局は使いようなのだ。

参考書籍

ユダヤ戦記〈1〉 (ちくま学芸文庫)

ユダヤ戦記〈1〉 (ちくま学芸文庫)

今回紹介した話は俺の作り話ではない。この『ユダヤ戦記』に記述されている。書いたのはフラウィウス・ヨセフス。もとユダヤ側の指揮官であり、ローマ軍に投降した後もエルサレムの陥落まで従軍したユダヤ人である。


イエス・キリストは実在したのか? (文春文庫)

イエス・キリストは実在したのか? (文春文庫)

今回の話を知ったのはこの本のおかげ。歴史上の実在したイエス本来の人物像を探っていく本。著者の経歴が面白い。元は熱心でないムスリム無神論者の家で育ち、15歳でキリスト教の教えに触れて感激する。そして熱心なキリスト教徒として聖書の勉強を深めていくと、聖書の間違いや矛盾に気が付き、やがて許せなくなる。結果、彼はキリスト教信仰を捨て、学者として宗教学の研究を始めたのだ。

Twitterにまつわる記事

*1:新約聖書でイエスの処刑を命じた人。

*2:『古代誌』では2万人が亡くなったと書いてある。ヨセフスは数を大げさに書くそうなので、たくさん死んだ程度に思っておいた方が良い。

『わたしのネット』でパウロについて書いた

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もちろん馬から落ちて目が見えなくなるパウロだ。
ネタに困ったら聖書を開くのがクセになりつつある。

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Fondazione Cariplo CC BY-SA 3.0,Link

寄稿2回目

寄稿したのはこの記事。

いかにして自分の趣味を布教するべきか、布教のプロであるパウロに学ぼう、という内容である。毎度のことながら、読むと1つ勉強になった気になれるタイプの記事だ。きっと役に立つ。

今回はまずパウロについて書こうと思い、それからパウロにふさわしいネタを考えた。パウロと言えば布教活動、ならば趣味を布教するのにも参考になるのではないか、と。

ではなぜパウロなのかというと、奴が語りかけてきたからである。

お告げ

2週間前、俺は悩んでいた。寄稿を引き受けたはいいが、ちょうどいいネタがあるわけではない。なのでまずは俺が書けそうな要素をノートに書き出し始めた。

「進化」「ローマ」「聖書」「偉人」「おっぱい」「キリスト教」「らせん階段」「カブト虫」「廃墟の街」「イチジクのタルト」……

夢中になって書き連ねていたら、フッと声が頭の中に響く。

なぜ私をネタにしないのだ

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Jusepe de Ribera [Public domain], Link

信心深い人からは「お前のような無神論者に聖パウロが語りかけてくるわけがないだろ」と言われそうだが、当のパウロ本人は許してくれるはずである。なぜなら、あいつも同じことをして成り上がったからだ。パウロの語るイエスは、自分の妄想の中に現れたイエスである。妄想を根拠に話さなかった者だけが石を投げなさい。

連鎖反応

パウロのことが頭に浮かんできたのは事実だが、別に奇跡を体験したわけではない。こうなったのは最近この記事を書いたからだ。

エスの行動をどうやってQCストーリーにまとめようかと考え、パウロの言動を主軸に据えることにした。こうすることで生前のイエスの活動についてまるっと省略でき、磔刑と復活だけに集中することができるからである。

しかし俺はパウロについてほとんど知らない。そこで手持ちの本に加え、パウロについて書かれている本を何冊か買って読んだ。だから俺の中に、パウロが強く印象に残っていたというわけである。

こうして俺は無事に『わたしのネット』の原稿を執筆できたわけだが、連鎖反応はまだ続いた。パウロのために買った本を読んでいたら、気になる記述を見つけてしまったのだ。

そのローマ兵の一人が、神聖な祭儀の最中にズボンをずり下げて、裸の尻を下方の境内にいる参列者に見せたら面白いだろうと考えた。抑制のきいた文章を心がけたヨセフスによれば、「そうした仕草を見た時に想定されるような叫び声」が儀式の間中飛び交ったという。
レザー・アスランイエス・キリストは実在したのか?』

イエス・キリストは実在したのか? (文春文庫)

イエス・キリストは実在したのか? (文春文庫)

バカッターじゃあないか!

こうして前回の記事が書かれることになった。

終わりに

その場のノリで進んでいくと、思わぬ所へたどり着くことがある。俺にとって聖書ネタはまさにそのパターンだ。ふとネタを思いついたから書くために調べる。調べたら新しいネタを見つける。これを繰り返したことで、どんどん深みへハマっている。いったい何の導きによるものなのか。

俺は神を信じないので、『ランダム』と答えるしかない。

成功は“ランダム

成功は“ランダム"にやってくる! チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方

  • 作者:フランス・ヨハンソン,池田紘子
  • 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
  • 発売日: 2013/10/31
  • メディア:単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る

全ての始まり

寄稿実績や連絡先など

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寄稿実績と連絡先をまとめた。
記事の執筆を依頼したい人向けの記事。

書き下ろしの実績

各サイトのために新しく書いたもの。

スマダン

Google Mapsの機能の1つであるマイマップの紹介記事。

わたしのネット

初心者向けに書いた、海外一人旅を始めるためのコツを実体験から解説した記事。


オタク的な意味での布教テクニックを、聖人パウロから学ぶという記事。

ブログ記事の再利用の実績

このブログからの転載。もちろん許諾済みのもの。

ガジェット通信

本の歴史を遡る記事。


ウォーレン・バフェットが若い頃に実践していた本の読み方を紹介。


『わたしのネット』に寄稿した『一人で海外の聖地巡礼するための技術』の補足的な記事。

MANGA.TOKYO

英訳したのは俺じゃないので注意。

ラノベのテンプレ展開を聖書で解説した記事。


ラノベのテンプレ展開を行動経済学で解説した記事。

無断転載の実績

俺のブログがあまりにも良すぎるため、無断転載されることもある。

archive.today link
元記事:人生の壁が多すぎる問題 - 本しゃぶり


archive.today link
元記事:ポリコレ棒に負けないVTuberをカスタムキャストでデザインする - 本しゃぶり

無断翻訳の実績

俺のブログがあまりにも良すぎるため、無断翻訳されることもある。
こっちは元記事へのURLがあるし、日本語じゃないので怒りは沸かない。

archive.today link

archive.today link

元記事:なぜラノベ原作ヒロインは3分以内に脱ぐのか - 本しゃぶり

連絡先

寄稿記事の依頼はメールかTwitterのDMで。

スムーズに進めるために

描き下ろしを依頼する場合は以下の内容を予め教えてくれると助かる。

  • 希望日程
  • 欲しい記事の方向性 (掲載先の既存記事やこのブログから、こんな感じの記事で、みたいな)
  • 文字数 (おおよそ)
  • 寄稿費 (要相談)

続いて、本業があるため以下の点を了承してもらいたい。

  • 執筆に割けるのは基本的に土日のみ
  • 簡単なメールの応対なら平日も可能だが、基本は夜に行う

最後に、できたらこうしたいという話。

  • 原稿はMarkdown形式で納品したい
  • 記事に使う写真の著作権は俺が保有したまま (ただし、提携媒体へ記事が掲載される場合にのみ、俺に画像仕様の許可を求める必要はない)

『CATS』というカブトボーグ的スマホゲーにハマる

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今更ながら『CATS』というゲームにハマっている。
これは良くないと、スクリーンタイムによる時間制限をかけた。

15分後に再通知を何度も押している。

CATS: Crash Arena Turbo Stars

CATS: Crash Arena Turbo Stars

  • ZeptoLab UK Limited
  • ゲーム
  • 無料

CATS: Crash Arena Turbo Stars

2017年ベストゲームに選ばれているようなので、知っている人も多いだろうが簡単に説明する。これはチャージインが自動で行われるカブトボーグだ。

まずマシンをカスタマイズする。

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車体の選択

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武器の選択

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ホイールの選択

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オプションの選択

対戦を始める。

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チャージイン

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突撃

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爆発四散

動画だとこう。

基本的に上のように、お互いが突っ込んでぶつかりあうことになる。バトルは全自動で、基本的にマシンは前に進んでいくからだ。だが戦い方はこれだけではない。あえてホイールを無しにすることで、敵に近づかずに飛び道具で攻撃するということもできる。対戦していく中で、新しい戦い方を見つけていくのも、面白さの1つだ。

俺が今まで戦った中だと、一番衝撃的な負け方をしたのはこれだ。

狙ってやっていたら強い*1

とりあえずこのゲームを試してみようと思ったのなら、下記リンクからストアに飛んでもらえると俺にアイテムが入るので嬉しい。

t.co

カスタマイズは好きだけど、操作をしたくないという俺みたいな人はハマるはずだ。

操作をしたくない

せっかくなので、操作をしたくないという話についてちょっと書く。

俺はカスタマイズで試行錯誤するのは好きである。どのようなパーツの組合せが最適なのかを探るのは楽しい。実戦で思った通りの動きをして勝てると、脳内麻薬がドバドバ分泌される。だが、ゲームによっては、カスタマイズを楽しむ上で障害となるものがある。俺の操作技術だ。

どんなに完璧なマシンを作り上げても、操作技術がポンコツではその性能を発揮できない。それがすごく腹立たしい。敗北の原因がマシンにあるのか、操作技術にあるのかはっきりしないからだ。

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だからと言って、練習をして腕を磨こうとは思わない。楽しむためにゲームを始めたはずなのに、なぜ退屈な反復練習を求められなければならないのだ。素振りは基本? 同じことを繰り返すなら、ダンベルを上げ下げしていた方がまだマシだ。

その点この『CATS』のような全自動バトル系ゲームは、純粋にカスタマイズで勝敗が決るので素晴らしい。同じマシンで同じ相手と戦ったら、毎回同じ結果になる。そこに偶然の要素は無い。だからこそ勝てる方法を考える気になれる。

その昔『アーマード・コアフォーミュラフロント』にハマっていた時期があったが、俺はあの頃から変わっていないようだ。

ゲームの記事

*1:レーザーの発射は一定間隔ごとに自動で行われるので、たぶん偶然。


予想外にバズってうろたえるマルティン・ルターに親近感

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身内ネタがバズると人はうろたえる。
マルティン・ルターもうろたえた。

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Lucas Cranach the Elder [Public domain],Link

3回目の寄稿

『わたしのネット』でマルティン・ルターについて書いた。

前回パウロについて書いたので、同じノリで書ける人物は誰かと考え、ルターを選んだ。彼のことは巨乳の記事を書いた時に、ちょっと調べたことがある。それで思い浮かんだのだ。

当初は『95カ条の提題』について書けばそれっぽくなるだろうと考えていた。あれはネットどころか電報も無い時代に、わずか2週間でヨーロッパ中に拡散されたという。おそらく現在のバズに通じるものがあるに違いない。それぐらいの認識だった。

調べてみると、思っていた以上に現在のバズと似ていて面白い。寄稿した内容と被るところもあるが、ここでは現在のバズとの共通点をメインに紹介する。

500年前のあらすじ

ルターが『95カ条の提題』を書くに至った一連の流れについて簡単に書いておこう。

当時のカトリック教会は贖宥状 (免罪符)を販売していた。

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Johann Daniel Lebrecht Franz Wagner (1810 - after 1883) [Public domain],Link

贖宥状は購入することで「」を回避できるものである。その理屈はなかなか面白いが、話が長くなるのでここでは解説しない。それに贖宥状の販売に用いられたキャッチコピーの方が、その実態を簡潔に表しいてる。

「グルデン金貨がこの箱の中でチャリンと音をたてれば、たちまち魂は天国に」

死後に天国へ行くことを望んだ民衆が、こぞって買い求めたのも無理はない。需要があって金になる。教会が供給を増やすのも当然だ。当初は100年に1度だったのが、50年間隔になり、25年間隔になった。このペースだとそのうち二人分を同時に売ることになる。事実そうなった。贖宥状は生きている人だけでなく、既に亡くなり煉獄で罰を受けている人にも効くことになり、死んだ先祖の分まで買うようになったのである。


「何かおかしい」

金を払えば天国へ行ける。この状況にルターは疑問を持った。

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「何かおかしい」

聖書にはそんなことは書いていない。当然だ。贖宥の思想は、イエスのいたイスラエルのものではない。キリスト教が西ヨーロッパまで広がり、ゲルマン法の伝統と結びつくことで生まれたものなのだ。

そこでルターは贖宥の効力を明らかにするための討論をしようと、世の神学者たちに呼びかけた。それが『95カ条の提題』である。

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Ferdinand Pauwels [Public domain],Link

そう、この文章は身内 (神学者) に向けて書かれたものだった。

身内ネタがバズる

なんとなく投稿した身内ネタがバズるというのは、まれによくある。つい最近も、身内の欲望をイラスト化したら、勝手に「男の理想とする女」というコメントと共に転載されてバズったという話があった*1。ルターの身に起きたのはこれに似ている。

ルターが対象としたのは、身内と言える神学者クラスタだった。だから『提題』はラテン語で書かれている。いくら住んでいたヴィッテンベルクが学園都市であった*2とはいえ、日常的に使われる言語はドイツ語である。ルターは贖宥状について皆に知ってもらおうと『提題』を書いたわけではなかった*3

そのような『提題』が無断転載された。しかもわざわざドイツ語に翻訳されて。翻訳したのはヴィッテンベルク大学の学生とも言われている。いかにもやりそうだ。「ルター先生、カトリック教会に喧嘩売ってて草」とか言いながら拡散する様子が目に浮かぶ。

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当時のツイートを再現

上記ツイートは完全に創作だが、「カトリック教会に喧嘩を売っている」と認識されたのは事実である。しかしルター自身にそのような意図は無かった。彼は純粋に神学的な討論を望んでいただけである。ところが『提題』には政治的な意味が付与されてしまったのだ。

政治的に使える

時として、本題とは「ズレた意味」が付与されてバズるということがある。特に政治的な意味がついたならばなおさらだ。例えばアニメなんかでも、本編のストーリーの面白さではなく、ポリコレ的な要素で話題ということが度々ある。ルターの場合も同様だった。

贖宥状が聖書的に正しいかどうかというよりも、バチカンの連中が間違ったことをしているということに、食いついた人達がいたのだ。都市部の商人、諸侯、ドイツの騎士達である。彼らは支配経済の観点から『提題』を取り上げ、広めていった。

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C.G. Scufsesit [Public domain],Link

この辺の話は、先の寄稿記事には入れていない。さすがに「バズるためには政治的な話題と絡めよう」とはしたくなかったからである。下手に政治的な話に絡めると「バズる」というより「炎上」になる確率が高まる。それは望む結果ではないはずだ。ルターもそうだった。だから彼は困惑した。

予想外にバズってうろたえる

以下はルターによる1518年3月5日の書簡に書かれたものである。

「広く読まれていることは、私が望んだことではありません。また私はそのようなことを意図したことはなかったのです。私はただこの町の人々とまたせいぜい近くの学者たちと議論し、その意見によってこれ〔つまり提題〕を取り下げるか、あるいはみなに認めてもらうかを判断しようと考えたのです。ところがこれが何度も印刷され、翻訳もされているのです。ですから私はこれを公にしたことを今後悔しています。……もしこれがここまで公になることがわかっていたなら、別な方法を選択するとか、もっと正確に書くとか、余計なことは書かなければよかったのです」
深井智朗『プロテスタンティズム 宗教改革から現代政治まで』(Kindleの位置No.675-680). Kindle版.

圧倒的既視感

バズった時の反応というものは、500年前でも変わらないらしい。しかもルターの場合、敵に回したのはカトリック教会である。下手をすれば炎上 (身体)の危険性がある。実際、ルターの100年前に贖宥状を批判したヤン・フスは火刑となったし、ドミニコ修道士のヨハン・テッツェルはルターについてこう言っている。

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『ルターの提題について』より

ちなみにこのテッツェルは「金貨がチャリンと音をたてれば」のキャッチコピーを唱えていた人物である。ルターを燃やしたくなるのも当然だ。

なのでルターがうろたえたのも当然であり、騒ぎになったことで口を閉ざしてもおかしくはない。

だがルターは止まらなかった

抵抗する者

この記事のタイトルに俺は「親近感」と入れた。だがこれはあくまでもバズったことで「うろたえた」ことについてのみである。その後のルターがとった行動については違う。とてもじゃあないが、俺には真似できない。

翌年にルター派贖宥と恩恵についての説教』を翌年に発行し、さらにカトリック教会へ喧嘩を売る。今度は民衆にも分かりやすくドイツ語で書いた。その後、同年に「アウクスブルク審問」、1519年に「ライプツィヒ討論」を経てカトリック教会との対立は決定的なものとなる。そして1521年には破門されてしまった。

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Die Leipziger Disputation kolorierter Holzschnitt 1557 [Public domain],Link

当時、破門で失われるのは宗教的な加護だけではない。破門とは帝国内における法的加護を全て剥奪されることを意味する。ルターは自身の安全よりも、自らの信仰を優先したのである。結果、同年の「ウォルムス喚問」の後にルターは何者かに襲撃され、行方不明となった。起きたことは明白だ。ルターは死んだ、もういない……


それから一年が過ぎ、ヴィッテンベルクの町は騒乱状態となっていた。反カトリックの改革派が実力行使に訴え、もはや暴動へと陥ったのだ。事態を収拾するために一人の男が動き出す。


マルティン・ルターは帰ってくる


終わりに

こうやって見ると、やはりマルティン・ルターの身に起きたことは、現代のバズに通じるものがある。やや軽率な投稿、無断転載、政治的な意味付け、大炎上。ネットに入り浸っていればよく見かける光景である。

本文には入れなかったが、バズるとそれをイラスト化する人達が現れるのもそれっぽい。当時は識字率が低かったので、一般庶民にとっては絵の方が広めるのに効果的だったこともある。まあ、今でも文章を読めない人は多いのだが。

ともあれ、このように現代のバズに近いと、逆に考えることもできるだろう。つまりルターの行動を真似たらバズるのではないか、と。それが今回『わたしのネット』に寄稿した記事である。

ルターに学んであなたもバズる時が来た。破門される覚悟を持って突き進むがいい。

参考文献

マルティン・ルター――ことばに生きた改革者 (岩波新書)

マルティン・ルター――ことばに生きた改革者 (岩波新書)

マルティン・ルターの生涯について書かれた本。


プロテスタント入門的な本。ルターについてもかなりページが割かれている。


キリスト教をどこまでネタにしても許されるのか迷ったら読む本。これに「ルターはパウロに似ている」と書かれていたが、俺もそう思う。


偶然の科学 (ハヤカワ文庫 NF 400 〈数理を愉しむ〉シリーズ)

偶然の科学 (ハヤカワ文庫 NF 400 〈数理を愉しむ〉シリーズ)

本当にバズについて学びたいなら、マルティン・ルターの本ではなくこれを読め。

プロテスタント関係の記事

*1:「男が思う理想の女」のコスプレが再現度が高すぎて話題になるも無断転載と判明してツイートを削除する流れ - Togetter

*2:人口が約2000人の小さな町に大学ができたことで、ほぼ同数の学生が押し寄せたという。

*3:ただしルターは同様の内容を民衆にも伝えようとはしている。あくまでも『提題』は一般向けではないということである。

ジョジョのイタリア聖地巡礼にかかった費用まとめ

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イタリアにある『ジョジョの奇妙な冒険』の聖地を全て巡礼するといくらかかるのか。
記録と記憶を頼りにできる限り洗い出した。

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きっかけと前提

2018年11月に俺は『ジョジョの奇妙な冒険』の聖地巡礼としてイタリアへ行った。

最近、これに費用がどれくらいかかったか訊かれた。とりあえず20万〜30万円と答えたが、自分でもざっくりとしか分からない。この費用という情報に需要があることが分かったので、今更ながら集計することにした。

ここに書かれている金額は2018年11月当時のものである。実際に行くときは最新の情報を集めたほうが良い。実際、俺が行った時もガイドブックとは異なる金額だったこともしばしばあった。

ユーロ ➡ 円の換算は以下の通りである。

  1. クレジットカードの履歴がある場合:その時のレート
  2. 履歴が無い場合:1ユーロ = 132.64円 (両替当時のGPA両替所のレート)

日程は2018/11/12 AMにイタリア入国、2018/11/22 AMにイタリア出国の10泊である。

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日程

ルートはナポリカプリ島ポンペイヴェネツィアサルディニア島➡ローマ、つまり作中とほぼ同じ順番だ。

以上を踏まえた上で読んでもらいたい。

かかった費用:合計250,639円

思った以上に予想通りだった。トイレの使用料は記録していないし、一部あやふやな金額もあるが、誤差みたいなものだろう。

以下、内訳が長々と続く。

日本⇔イタリア飛行機代:103,110円

航空券代金が69,500円でその他空港諸税などが33,610円。航空会社はエティハド航空。ここは安いし、俺の好みの到着時間になることが多い (気がする) 。難点は映画の日本語字幕率が低いこと。

チケットはトラベルコで見つけた。

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行きの飛行機

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帰りの飛行機

宿代:合計385ユーロ (51,458円)

宿は全てBooking.comで探した&予約した。宿代は全て市税込。

ナポリで3泊『B&B Sweet Sleep』:92.70ユーロ

www.booking.com

良い点
  • 立地が良い (警官時代のアバッキオがパトカーのガラスを割られた場所から徒歩2分)
  • 朝食が充実している (今回泊まった中では一番)

朝からピザ食べる

honeshabriさん(@honeshabri)がシェアした投稿 -

悪い点
  • フロントが最上階の6階にある
  • エレベーターが時々止まっていた
  • カーテンが赤い

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赤い

ヴェネツィアで2泊『Locanda Silva』:97ユーロ

www.booking.com

良い点
  • 聖地に行きやすい立地
  • 日本語を話せるスタッフがいる (らしい)
悪い点
  • バス・トイレが共通

オルビアで2泊『B&B Porto Romano』:94.6ユーロ

www.booking.com

良い点
  • スタッフが優しい (外が雨だったので、チェックアウト後に夕方まで部屋を使わせてくれた)
悪い点
  • シャワーが受話器みたいなデザインで重い

ローマで2泊『A Roman Tale B&B』:100.32ユーロ

www.booking.com

良い点
  • 行く前からメールやSNSなどで情報をくれる
  • 鍵の使い方をチュートリアルごとく教えてくれる
  • テルミニ駅から近い
悪い点
  • 初見では場所が分かりにくい
  • 朝食は近所のカフェまで行かないといけない
  • 朝食が貧弱でクソ甘い

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コルネットとコーヒーのみ

イタリア内での交通費:合計387ユーロ (51,149円)

無駄な動きをしているので、普通の旅行より高め。

カポディキーノ国際空港からナポリ市内へのバス:5ユーロ

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チケット

90分以内なら市内の交通機関に乗り換えができる。

フニコラーレ片道:1.10ユーロ

普通に観光するならばバスやトラムと共通の1日券を買ったほうがお得。券売機で購入する時のために小銭を用意しておきたい。

カプリ島へのフェリー:20.30ユーロ

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ダンスはしなかった。

カプリ島一周ツアー:17ユーロ (たしか)

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潮の関係で青の洞窟には入れなかった。その分安くしろ。

カプリ島のトイレへ行くためのフニコラーレ:4ユーロ (往復)

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俺が行った時はフニコラーレが運休されており、代替でバスだった。

カプリ島からナポリへのフェリー:19ユーロ

会社が違っていたのか行きよりちょっと安い。

ナポリポンペイの電車:5.80ユーロ (往復)

ジョルノ達と同じ入口から入りたいのならヴェスーヴィオ周遊鉄道のソレント線を使い、『Pompei Scavi - Villa Dei Misteri駅』へ行くべき。

ヴェネツィア行き超特急:39.9ユーロ

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ネットで予約した。日本語版のサイトは手数料がかかるので、本家から購入したほうが安い。

EN - Trenitalia

ヴェネツィア水上バス48h券:30ユーロ

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VENEZIA UNICA

VENEZIA UNICAは少々高いが、これを買っておくとヴェネツィアでの移動が楽。特にサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会に複数回行くのなら必須。

マルコ・ポーロ空港 (ヴェネツィア・テッセラ空港) への水上バス:13ユーロ

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チケットは乗り込む時に購入できる。VENEZIA UNICAでは乗れないので注意。

サルディニア島への飛行機:18,749円

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フライトコード2つ

時期が観光シーズンではなかったためか、ヴェネツィアからサルディニア島への直行便が無かったのでローマを経由するルート。しかも航空会社が違うので、荷物を預けてしまうとローマで一旦受け取られくてはならない。それが嫌だったので、今回の旅行は機内手荷物だけで頑張った*1

オルビア空港から市内へのバス:5ユーロ (としておく)

たぶん5ユーロ以下だったはず。チケットは乗り込む時に購入した。

オルビア市内からフェリーターミナルへのバス:3ユーロ (としておく)

f:id:honeshabri:20181119190408j:plain忘れた。きっと3ユーロぐらい。チケットは乗り込む時に購入した。

オルビアからチヴィタヴェッキアへのフェリー:41ユーロ

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AFerry.jpで日本から予約。当日はフェリーターミナルの受付へ行き、印刷した予約確認とパスポートと出して「チケットプリーズ」と言えばチケットを貰える。俺のチケットは乗船のみなので、寝る時はロビーの椅子。辛い。

チヴィタヴェッキアからローマへの電車:4.60ユーロ

この電車に乗るまでが大変だった。フェリーターミナルから駅までが遠い。

ローマの交通機関24h乗り放題券:7ユーロ

最初の刻印から一定時間乗り放題になるチケット。バス、地下鉄、トラム、近郊鉄道などが対象であり、ローマ市内を観光するなら必須。空港へ行くのには使えないので注意。

ローマの交通機関100分乗り放題券:1.50ユーロ

上のチケットの下位種。実質一回券。

ローマから空港までの電車:8ユーロ

この電車は郊外にあるティブルティーナ駅から複数の駅を経由して空港へ向う『FR1線』である。ローマの中央駅であるテルミニ駅からは出ていない。しかし俺はこのチケットを購入してテルミニ駅から乗車した。

ローマから空港までの電車:14ユーロ

f:id:honeshabri:20181122071750j:plain空港とテルミニ駅を結ぶ『Leonardo Express』である。全車1等でノンストップで突っ走るため旅行者向き。当然俺が乗ったのもこの電車である。

間違いに気がついたのは検札の時。車掌にお前の切符は間違っている的なことを言われ、他の乗客の切符を見せてもらい、状況をようやく理解した。幸い罰金とはならず、本来の料金である14ユーロをその場で支払うことでケリが付いた。俺が購入した8ユーロの切符は無駄になったが仕方ない。

入場料:合計42ユーロ (5,531円)

あちこち行った割には、入場料が発生する場所は少ない気がする。

サンテルモ城:5ユーロ

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城から見たナポリ
ジョジョの聖地ではないが、ナポリを見渡せるので訪れた。これでいつでも死ねる。

カプリ島のトイレ:50セント

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イタリアというか、ヨーロッパのトイレは基本的に有料。トイレの入場料については流石に全てを覚えてはいない。基本的に50セントだが、観光地だと1ユーロのこともある。ヴェネツィアは都市全体が観光地なので、駅のトイレですら1ユーロだった。このトイレは50セントだった気がするが、1ユーロだったかもしれない。まあ、誤差ということで許してくれ。

ポンペイ遺跡:15ユーロ

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Pompei Scavi - Villa Dei Misteri駅』の上には観光案内があり、駅から出たところでオッサンに「案内所でチケットを購入しろ」と言われた。しかしチケットは普通にマリーナ門の前で販売しているので、無視して進んで構わない。

サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会のエレベーター:6ユーロ

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切符売り場

教会に入るのは無料だが、エレベーターは有料。

サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ聖堂:3.50ユーロ

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入場料が必要なのに、中で写真を撮ってはいけない。

コロッセオ:12ユーロ

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フォロ・ロマーノ」と「パラティーノの丘」と共通チケットになっている。俺はコロッセオにしか行けなかったが。

コロッセオはさすがと言うべきか、どの列にも必ず日本人がいる。なのでどこに並べばいいか分からなくても、すぐに尋ねることができる。英語ができればそんなことを気にする必要はない。

食費:合計156ユーロ (20,718円)

食事は全て記録しているのでこれであっているはず。画像を見たい人は俺のInstagramに行くといい。以下のリンクが旅行最初の食事である。

@honeshabri on Instagram: “機内サービスのスナック 0円”

食事に関しては数が多いので一覧表にした。

品目価格買った場所
ミネラルウォーター 500ml0.50ナポリ
ピッツァ・マルゲリータ1.50ナポリ
プロシュートのサンドイッチ2.50ナポリ
ミネラルウォーター(ガス入り) 500ml1.00ナポリ
ケバブ3.00ナポリ
チョコレートとピスタチオのジェラート2.50ナポリ
ミネラルウォーター 500ml1.00ナポリ
ミネラルウォーター 500ml1.00ナポリ
シーフードピッツァとコーラ20.00カプリ島
コーヒーアフォガード12.00カプリ島
コーヒーHAG4.00カプリ島
ミネラルウォーター 500ml0.50ナポリ
バスケッタ (芋)1.00ナポリ
ピッツァ・マルゲリータ2.00ナポリ
ミネラルウォーター 500ml1.00ナポリ
コーヒーのジェラート2.30ナポリ
ミネラルウォーター 500ml0.50ナポリ
コカ・コーラ 500ml1.30ナポリ
クリームチーズと生ハムのサンド5.50ナポリ (駅)
スーパーパニーニ4.00ヴェネツィア
プリッツみたいな味のパン (チャージ料込)2.50ヴェネツィア
コカ・コーラ (缶)4.00ヴェネツィア
イカスミのパスタ17.00ヴェネツィア
ミネラルウォーター 500ml1.00ヴェネツィア
ツナサンド6.00ヴェネツィア
コカ・コーラ 500ml1.00ヴェネツィア
コカ・コーラ 500ml3.50ヴェネツィア (空港)
コカ・コーラ 350ml2.00ローマ (空港)
ケバブライス6.50オルビア
コカ・コーラ 500ml1.00オルビア
コカ・コーラ 500ml1.00オルビア
レモネード (缶)2.50オルビア
ピーマンのピザ9.00オルビア
オレンジジュース 1杯3.80フェリー
パワーエイド 500ml3.00チヴィタヴェッキア (駅)
クロワッサン・サンド3.10ローマ (駅)
コカ・コーラ 500ml1.50ローマ
カットフルーツ3.00ローマ (駅)
コルネット4.50ローマ (駅)
パワーエイド 500ml2.00ローマ
ケバブライスとコーラ7.00ローマ
コルネットカプチーノ1.50ローマ
ミネラルウォーター 500ml1.70ローマ (空港)
ミネラルウォーター 500ml1.00アブダビ (空港)

その他の現地購入品:合計38ユーロ (5,066円)

必要に迫られて買ったものやお土産など。

棍棒みたいな折りたたみ傘:10ユーロ

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潤滑油がすごい

雨が降るので購入した。折りたたみ傘とは思えないほど重い。もっと小さくて軽い傘が欲しかったのだが、付近の店に売っていたのはこれだけだった。イタリアの折りたたみ傘はゴツい。

雨が振り始めると、折りたたみ傘の販売人がワラワラ出てきた。日本でもよく見かけるような小さいやつで6ユーロだった。俺が買ったのは何なんだよ。

ポケットティッシュ:95セント

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風邪を引いて手持ちのティッシュを使い果たしたので購入。偶然見つけたスーパーに入り、"I'm looking this."と言って手持ちのティシュを見せつける圧倒的コミュニケーションスキルを発動。入手することに成功した。

イタリアのポケットティッシュは日本のと違い、紙ナプキンのような強度を持つ。ティッシュというより使い捨てのハンカチという感じ。

追加のポケットティッシュ:1ユーロ (たぶん)

足りなくなったので追加購入。たぶんこんなもんだろ。

ティッシュ4箱:4ユーロ (としておく)

ポケットティッシュだけで足りるわけがないッ!

金額は覚えていないが、バラ売りで購入したのでたぶん1箱1ユーロくらいだろう。箱ティッシュは日本のティッシュと同じような品質だった。

ジョジョの奇妙な冒険第5部 1巻:6ユーロ

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イタリア語版

テルミニ駅の本屋で購入。

ドライトマト:3ユーロ

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探し回った

頼まれていたので購入。なかなか見つからず、3店目のスーパーで発見。そもそもドライトマトの売り場がよく分からない。

  1. トマト加工品売り場
  2. 野菜売り場
  3. 乾物類売り場

正解は2の野菜売り場だった。

お土産のお菓子:13.40ユーロ

空港で購入。よくある詰め合わせ。

行くために買ったもの:合計14,402円

旅行費用に入れるべきは微妙だが、旅行のために買ったのは間違いないので思い出せる限り列挙する。

地球の歩き方:1,836円

A09 地球の歩き方 イタリア 2018~2019

A09 地球の歩き方 イタリア 2018~2019

以前に書いたことがあるが*2がいい。これに書いてあることはネットで調べれば全て分かるとはいえ、ネットは「何を調べればいいのか分かっていないといけない」というのが良くない*3。その点ガイドブックならば最低限知っておくべきことがまとまってあるから安心。

海外旅行保険:4,054円

クレジットカードの保険だけだと物足りないので。たしか価格ドットコムでau損保の安いやつを選んだ。

simカード:1,980円

現地で購入は以前にやったことがあるが、面倒だし到着してすぐに使えないので、今回は予め購入することにした。

イタリアだと3Gしか使えないが、Google MapsSNSをする分には問題なかった。今回の旅行で使ったのは3.2GB。

デジタル計量器:1,170円

今回は乗り継ぎの関係上、全て機内手荷物にする必要があった。なので正確に重量を知るために購入。実際は荷物の重さを量られることは無かったため、あまり意味なかった。

圧縮袋:981円

全ての荷物を35Lのリュックに詰め込むために購入。

てんとう虫のブローチ:3,031円

「てんとう虫」はお天とう様の虫です…
幸運を呼ぶんです。

亀:1,350円

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俺が購入したせいで品切れ。

終わりに

俺の旅は格安を目指したわけでもないし、贅沢を凝らしたわけでもない。なのでコンテンツとしては微妙である。ただ5部の聖地をほぼ全て一度に周った人は少ないと思うので、これを読めばジョジョ聖地巡礼を計画している人にとっては参考にしやすいのではないかと思う。

しかし今回ほどInstagramをやっていて良かったと思ったことは無い。交通費や入場料はネットやガイドブックで調べれば検討がつくが、食事に関しては後から調べるのが困難である。やはり記録しておくべきなのだ。

地図

イタリアにおけるジョジョの聖地を詰め込んである。

マイマップにコピーしておくと聖地巡礼する時に便利。

ジョジョ聖地巡礼記事

『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』なぜ26話でドッピオはオルビアの街でタクシーを拾ったのか

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なぜドッピオはオルビアでタクシーを拾ったのか。
そこにはリゾート地特有の問題があった。

実際にサルディニア島へ行った経験から、ドッピオの行動を考察した。

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ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』26話

ドッピオ、オルビアでタクシーを拾う

26話において、オルビアでドッピオがタクシーを拾った場所は「ローマ通り」である。

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ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』26話

俺がオルビアに滞在中、ティッシュを買いにスーパーへ向かう時に通った道のすぐそばだった。アニメに登場すると分かっていたのなら写真を撮っていたのだが。

この場所はオルビアの街中と言える位置である。以下に地図を示す。分かりやすくするため、道の脇にあるピザ屋にピンを立てた。

ここで一つ疑問が湧く。なぜドッピオは「この場所」でタクシーを拾ったのか。空港から直接エメラルド海岸へ行くのではなく、わざわざオルビア市内から行ったのはなぜなのか。

空港から直接行けばいいのでは

ドッピオ = ボスはサルディニア島に来る前はヴェネツィアに滞在していた。ジョルノ達がサルディニア島へ向かったと確信し、ボス自身も追いかけるようにやってきたのである。

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 12巻』

ヴェネツィアから急いでサルディニア島へ行くのであれば、移動手段は飛行機である。到着する空港はオルビアの南東にある「オルビア・コスタ・スメラルダ空港」だ。空港から市内へは3〜4km程度の距離で、バスでも10〜20分程度で到着する。

対してエメラルド海岸はオルビア市内から離れた位置にある。「エメラルド海岸」と一口に言っても、その対象範囲は広いため、ここではポルト・チェルボにある教会「Stella Maris Church」を目的地とする。作中の教会と雰囲気が似ているためだ。

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 12巻』

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Heinz-Josef Lücking CC BY-SA 3.0 de,Link

この教会へ行くのは少し面倒だ。サルディニア島内は鉄道網が貧弱で、バスの本数もそれほどあるわけではない。一番いいのはレンタカーを借りることである。オルビアの中心駅から教会までは約30kmあるため、レンタカーあるいはタクシーで行くと30分ぐらいだ。

つまり「空港からオルビア市内」より、「オルビア市内からエメラルド海岸」の方が圧倒的に距離があるのだ。

もしオルビア市内からエメラルド海岸へ公共交通機関を使って行くのであれば、オルビア市内で一旦降りるのは理にかなっている。しかしドッピオはタクシーでエメラルド海岸へ向かった。ならば空港から直接エメラルド海岸までタクシーで行く方が合理的ではないか。空港にはタクシー乗り場がある。どう考えてもこっちの方が楽だ。変な占い師にも会わなくて済む。

これには理由があったと俺は考える。そのヒントになったのは時間経過だ。

飛行機墜落から3日後の話

サルディニア島沖でジョルノ達の乗った飛行機が墜落してから、ドッピオとリゾットが戦うまでには数日経過している。具体的な日付を言うと、飛行機墜落が4月2日で、サルディニア島の話が4月5日だ。3日経過していることは、この後に登場するセッコのセリフではっきりと分かる。

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 14巻』

この辺の日数については以下のサイトが詳しい。

「黄金の風」の日数経過[ジョジョ5部]

したがって、ジョルノ達は墜落してからエメラルド海岸にたどり着くまでに3日かかった。これは分かる。サルディニア島から50kmも離れた海上に投げ出されたのだから、たどり着くのは簡単な話ではない。

だがボスについてはどうだろうか。ボスはジョルノ達の目的地がエメラルド海岸だと直感的に理解していた。そしてすぐに飛行機でサルディニア島へ向かったはずだ。おそらく墜落当日かその翌日にはサルディニア島に到着していたはずだろう。

ところが3日経過していても、ドッピオは目的地から30kmも離れたオルビアをフラフラ歩いていた。エメラルド海岸のあるポルト・チェルボではなく。

それはポルト・チェルボが超高級リゾート地だからではないだろうか。

できるだけ安く済ませたい

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trolvag CC BY-SA 3.0,Link

ポルト・チェルボは超高級リゾート地である。この辺りの高級ホテルは1泊30万円も珍しくない。もちろん1泊1万円程度の宿もあるが、全体的に高いのは確かである。ここでボスの置かれた状況を考えてみよう。

  • 今日の夜から泊まる宿を確保する必要がある
  • ジョルノ達がいつ現れるか分からない = 何泊することになるか不明
  • 目立ちたくない

前もって予約するのなら、ポルト・チェルボでもお手軽な宿を何泊も確保することができただろう。しかし今回は急な話である。当日になって連泊できる宿が、リゾート地にそれほどあるだろうか。あったとしても、べらぼうに高いかもしれない。目立ちたくないので、ギャングの威光は使わない方が望ましい。なにせ部下に任せず、自ら動いたくらいなのだから。

一方、オルビアならば俺ですら気軽に宿泊できる安価な宿が豊富にある。急に今夜から数日泊まりたいと言っても、きっと確保できるだろう。毎日寝るためにオルビアへ戻らなくてはいけないが、オルビアからエメラルド海岸までのタクシー代は4,840円である*1往復しても1万円以下だ。普通の街ならばその金があれば余裕で宿泊できるが、ポルト・チェルボならばこの倍でも不足することもありえる。

したがって、「ドッピオはオルビアに滞在し、毎日エメラルド海岸までやって来ていた」というのが俺の説である。ここでドッピオが占われる回『サルディニア島嵐警報!』の扉絵を見てもらいたい。

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ジョジョの奇妙な冒険カラー版 第5部 12巻』

これから行くはずのエメラルド海岸に、ボスっぽい人物が訪れている。これこそ、すでにドッピオ = ボスがエメラルド海岸に行っている証拠ではないか。

そしてエメラルド海岸に通いつめて3日目、リゾットに襲撃されたのである。

終わりに

原作を読んでいる時は、ドッピオがオルビア市内にいることに何の疑問も持たなかった。今回このことに気がついたのは、俺がエメラルド海岸へ行こうと計画し、実際にオルビアまで行ったからである*2。そうしたことで、作品の内容が「他人事」ではなく、「自分事」になったから気がつけたのだろう。

聖地巡礼をすると作品をより深く読み込むことができる。これからも積極的に行いたい。

イタリア聖地巡礼記事

*1:『ぼくの名はドッピオ その①』より。

*2:エメラルド海岸へは残念ながら体調不良と天候の問題から行けなかったが。

俺が知っている情報は、きっとあなたも知っていると思っていたのだが

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この程度の内容なら誰でも知っているので、記事にする意味はない。
はたして本当にそうだろうか。

俺にとって当然の内容を書いたらバズったのだが。

費用まとめ記事に対する反応

2週間前にイタリア旅行の費用をまとめた記事を書いた。

これに対する反応がちょっと予想外だった。まずブクマの数である。450を超えてはてなブログの週間ランキングで9位だった*1。今まで、これよりもブクマのついた記事はいくつかある。しかし、今回のはここまで伸びるとは思ってもみなかった。

次にTwitterでの反応である。記事を公開した時、通常の投稿とは別に、内容をスクショしたものをツイートした。

その結果、RTが4,500以上favは7,000以上になった。これまで俺のツイートに対する反応が4桁に達したことは無かったので、間違いなく最高記録である。

最後に記事への反応の内容について。ある程度のブクマカなら誰でもそうだろうが、記事を読む時はどのようなブコメがつくか予想するものである。俺の場合はブクマカでありブロガーであるため、執筆の段階でブコメを予想する。あの記事ではその予想が大きく外れたのだ。

旅行にかかった費用の総額が約25万円と分かった時、金額そのものは想定通りだった。俺にとっての旅費としては特別安くもなければ高くもない。しかし、ネットのコンテンツとして見る場合はどうだろうか。

俺は「高い」と言われるだろうと考えた。まず単純に25万円という金額そのものが高い、と。「25万円もかけるなら新しいMacBook Proを勝ったほうがマシ」というように。あるいは旅費として高い、と。海外旅行強者から「LCCAirbnbを使えばもっと安く済ませられる」的な*2

ところが実際の反応は「そんなに安く済むのか」と、想定と真逆の反応だった。この程度で済むのなら自分も行きたい、と。

なぜこうも予想外の結果となったのだろうか。思うに、あの記事の内容は俺にとってあたりまえだったからである。

いつもどおりのことなので

あの旅行に関して、飛行機や宿の手配については例年と同じことしかしていない。そろそろ予約しないとやばいなと思った時に*3、飛行機はトラベルコで、宿はBooking.comで検索して終わりである。何か特別なことをしたわけではない。検索結果から安価なのを選んだ程度である。

webサービスを知っていれば終わる話なので、俺の旅行費用に関する情報はそれほど価値があると考えていなかった。検索すればすぐに分かることである。食費などの他の費用も同じである。レストランを利用すれば高くなるが、そこらへんの店でパンを買って食べる分には、日本のコンビニで昼飯を買うのと大差は無い。

聖地巡礼とはいえ、その費用に関しては (俺にとって) 普通である。だから価値は無いし、記事にする意味も無い。そんな認識だった。

一通のダイレクトメッセージが来るまでは。

質問されて気がつく

ある日、俺のTwitterにダイレクトメッセージが届いた。イタリア聖地巡礼にいくらかかったのか、という質問である。その時点ではざっくりとしか把握していなかったため、「20万〜30万円」と回答した。

回答してから考えた。俺は面識の無い相手に対してまずDMで質問しない。よほど知りたいことがあるならば別だが。おそらくほとんどの人も同じではないだろうか。しかも俺はフレンドリーに質問を募集し、回答するタイプではない。そうすると、俺にDMを送ってきた相手にとって旅行の費用は、よほど知りたいことだったのではないだろうか。

1人がよほど知りたいと思う情報ならば、結構知りたい人が他に29人ぐらいいるだろうし、興味のある人がさらに300人いるのではないか。ハインリッヒの法則」は情報にも当てはまる。根拠は無いがそう考えた。

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Cub-chibajin [CC0],Link

それで記事にした結果は、冒頭に書いた通りである。

終わりに

「今更な内容でもブログに書いたほうがいい」とは昔からよく言われている。知識としては知っていたし、これまでもその認識の下に記事を書いてきた。しかし今回のことで、俺は認識を改めざるをえない。自分にとって常識でも、他人にとっては違うということは想像以上にあるのだ、と。

最近読んだ『無知の科学』という本に、人間は「自分の頭の中に入っている知識」と「自分の外部にある知識」を区別できないと書いてあった。そのため本当はよく知らないことでも、知っている人や解説にアクセスできると認識している場合、そのことを自分は知っていると思い込んでしまう。逆に自分がよく知っていることは、他者も同様に知っていると錯覚するのだ、と。

現実には自分と他者の知識は分断されている。だからこそ、その溝を埋めるために、自分の知っていることは積極的に発信するべきである。それが今回、俺が学んだことだ。

こんなことは誰でも知っているかもしれないが、あえて記事にした。学んだことは即実践である。

知ってるつもり――無知の科学

知ってるつもり――無知の科学

今更な内容だと思っていたのに反応があった記事

これも似たバターンだった。読み上げ機能の声にこだわるというのは珍しいと考えて記事にしたが、その前提であるKindle読み上げに対する反応が想定以上に多かった。

*1:今週のはてなブログランキング〔2019年4月第2週〕 - 週刊はてなブログ

*2:書いていて気になりAirbnbで11月のヴェネツィアの費用を調べたら、額面だけなら俺の宿泊代と対して差がなかった。

*3:飛行機は3ヶ月前、宿は2ヶ月前くらい。

タイムセール祭り常連の完全ワイヤレスイヤホン『Jabra Elite Active 65t』の使って分かる快適さ

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完全ワイヤレスイヤホンのJabra Elite Active 65tを使い始めて3ヶ月が経った。
これは良さが使って分かるタイプの製品だ。

購入して3ヶ月

このイヤホンは小岩井ことりイチオシである。

とはいえ買った理由はこれを読んだからではない。マフラーと干渉しないイヤホンが欲しかったからだ。そのへんの購入に至るまでの話は以前書いた通りだ。

購入してからというもの、外出する時は毎回これを使っている。おかげで昨年5月に購入したBeatsXの出番はほとんど無くなってしまった。

Beats by Dr.Dre BeatsXイヤフォン - ブラック

Beats by Dr.Dre BeatsXイヤフォン - ブラック

BeatsXよりも65tを使う理由は、音質ではなく使い勝手の良さによるものだ。ちょっとしたことの積み重ねが、俺に65tを選択させる。それは購入前から想定していたこともあれば、実際に使ってみて分かったこともある。

完全ワイヤレス

マフラーやフードと干渉しない。これは凄く楽である。

先に書いた通り、俺が65tを購入したきっかけはマフラーだった。ネックバンド型はマフラーと相性が悪い。単純にマフラーの脱着時に面倒というのもあるが、使っている時もコードがマフラーに引っかかる事がある。これがイライラする。

それが完全ワイヤレスならば、マフラーと干渉することは無い。当然、イヤホンをつけたままでもマフラーを脱着することが簡単にできる。希望通り、俺のイライラの1つが解消されたのだ。完全ワイヤレスは冬にその真価を発揮する

また、完全ワイヤレスはポケットやカバンに入れやすいのもいい。コードが絡まらないし、専用のケース付きなので汚れにくい。BeatsXはコードが絡まることはなかったが、逆にコードが固いせいでまとめにくいのがデメリットだった。常に首から下げていられる時はいいのだが、何かに入れて持ち運びたい時に不便だった。

あと実際に使ってみて気がついたメリットとしては、完全ワイヤレスは筋トレに向いているということだ。俺は筋トレする時にKindle読み上げを聞いている。

この時BeatsXのようなネックバンド型だと、仰向けの体勢をとると首から外れてしまう。上半身を大きく動かす場合も外れやすい。完全ワイヤレスだとこの問題が無くなる。これもまた「ちょっとしたこと」だが、やはり無くなると嬉しい。

外音取り込み機能

これは65t固有の機能である。予想していた通り、完全ワイヤレスと外音取り込み機能は相性が良い。

買い物の時は店員の言っていることが聞こえないと困る。ネックバンド型ならば何も考えず耳から外すだけで良い。外しても首にぶら下がっているだけだからだ。しかし、完全ワイヤレスだと外したら手で持つか、ポケットにしまわなければならない。これは完全ワイヤレスのデメリットである。

しかし65tのように外音取り込み機能があれば話は違う。つけたまま相手の声を聞くことができる。外さなくていいというより、装着し直さなくていいのが素晴らしい。というのも、俺は遮音性を求めてイヤーチップをComplyに換えている。

これは装着する時に指で押しつぶす必要がある。つまり装着のたびに一手間かかるのだ。だからできる限りつけっぱなしでいたい。外音取り込み機能はこの俺の希望を叶えてくれる。

ただしこの機能があっても、やはりイヤホン無しに比べたらだいぶ聞こえにくくなる。コンビニで買い物する時のような、何を話すか分かりきっている場合には問題ないが、これを着けたまま会議に参加するのは止めたほうがいい。マナーの問題を抜きにしてもだ。

自動接続

いちいち電源ボタンを押さなくていいのが、これほど便利だとは思わなかった。

完全ワイヤレスならどれでもと言っていいと思うが、この65tも一度ペアリングすれば、次からはケースから取り出すだけでスマホと接続される。そしてケースに戻せば切断される。この便利さは使って分かるタイプの便利さだ。

俺は購入する前、この自動接続は完全ワイヤレスの優位性とは思っていなかった。というのも、BeatsXの場合なら接続するためにボタンを長押しする必要があるが、その代りにケースから取り出す必要は無い。「ただボタンを2~3秒長押しする」と、「ケースのフタを開けてイヤホンを取り出してフタを閉じてケースをポケットにしまう」のどちらが楽か。時間はそれほど変わらないだろうが、動作量的に俺は前者の方が楽だと考えていた。

しかし実際に楽なのは後者だった。人間は待つのが嫌いなのである。ボタンの長押しはただ待つだけ。対して完全ワイヤレスの場合は作業数こそ多いが、その一つ一つはすぐに終わる。待ち時間は無いのだ。何かをしていると人間は時間を短く感じる。この特性によって完全ワイヤレスは、よりストレスの少ないユーザー体験を提供してくれるのだ。

終わりに

完全ワイヤレスイヤホンは見た目こそ左右のコードを取っ払っただけのものである。しかし、それによって得られる体験は、見た目から想像できる以上のものであった。しかし1つ1つのメリットは小さく、ちょっとしたイライラが消える程度のものである。まさしく使ってみれば分かるタイプの製品だと思う。

この記事では65tのメリットばかり書いた。実際のところ俺の使い方だとBeatsXと比較して完全に勝っていると言っていい。完全ワイヤレスのデメリットというと遅延が良く挙がるが、音ゲーをやらず動画も見ない俺にとっては無いも同然だ。強いて言えば連続再生時間がちょっと短いくらいだろうか。65tは本体だけだと5時間しか保たないので、一日中つけっぱなしには向かない。

今回紹介したJabra Elite Active 65tは、Amazonのタイムセール祭りでよく値下がりするので、気になっている人はKeepaなどで監視しておくのをおすすめする。

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